2014 Fiscal Year Annual Research Report
配糖体分子によって引き起こされる植物就眠運動の分子機構
Project/Area Number |
26282207
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 実 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60265931)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ジャスモン酸グルコシド / K-チャネル / ROS |
Outline of Annual Research Achievements |
マメ科植物の就眠運動は、ダーウィン以来の謎である。我々は、就眠運動研究のスタンダード植物として用いられる大型草本アメリカネムノキを対象として、就眠運動の研究を行っている。アメリカネムノキの就眠運動を引き起こすジャスモン酸グルコシドは、葉の付け根部分に存在する運動細胞に作用して、その収縮を引きおこす。この際、細胞内ではROS産生が起こり、これが外向きカリウムチャネルに作用することで、細胞の収縮が誘導されることが明らかになった。外向きカリウムチャネルはユニークなKineticsを有しており、これがマメ科植物に特有の就眠運動という現象に深く関与していることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、ジャスモン酸グルコシドが、アポトーシス非依存的な機構でカリウムチャネルを活性化して細胞収縮を誘導することを明らかにした。また、細胞収縮の主役がユニークなkineticsをもつ外向きカリウムチャネルであることも明らかにし、その進化的分布についても検討した。これは、就眠運動という現象がなぜマメ科植物に固有の生物現象であるのかを解明する手がかりとなる発見である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、外向きカリウムチャネルの活性化機構に関する詳細な検討が必要である。ROSによる外向きカリウムチャネルの活性化は、アポトーシスに伴う細胞収縮との関係から広く研究されているが、我々の系はアポトーシス非依存的であり、既存の活性化機構とは異なる作用機構が推定されている。ROS産生機構の詳細と共に、検討を行いたい。
|
Causes of Carryover |
研究の進展に伴い、新たに昆虫細胞を用いるタンパク質発現系の構築が必要となった。しかし、タンパク質発現には思ったよりも時間が掛かることが分かり、年度内に予定していた実験を次年度に繰り越すことになった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品費用(主として発現タンパク質の作成費用など)に使用する予定です。
|
Research Products
(4 results)
-
-
[Journal Article] Elevated levels of CYP94 family gene expression alleviate the jasmonate response and enhance salt tolerance in rice2015
Author(s)
K. Kurotani, K. Hayashi, S. Hatanaka, Y. Toda, D. Ogawa, H. Ichikawa, Y. Ishimaru, R. Tashita, M. Ueda, T. Hattori, S. Takeda
-
Journal Title
Plant Cell Physiol.
Volume: 56
Pages: 0-00
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-