2016 Fiscal Year Annual Research Report
Democratization and Judicialization of Politics in Southeast Asian Countries
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26283005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉田 芳史 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90197567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相沢 伸広 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 准教授 (10432080)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (90372549)
日下 渉 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (80536590)
鈴木 絢女 同志社大学, 法学部, 准教授 (60610227)
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (80452366)
木村 幹 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (50253290)
上田 知亮 東洋大学, 法学部, 准教授 (20402943)
ホサム ダルウィッシュ 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター中東研究グループ, 研究員 (60615235)
河原 祐馬 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (50234109)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 政治の司法化 / 民主化 / 憲法裁判所 / 違憲審査 |
Outline of Annual Research Achievements |
司法化の進行は、必ずしも民主化にプラスになるとは限らないことが明らかになった。司法化といえば何よりもまず違憲審査である。各国の事例を眺めていくと、司法化に大きな影響を与えるのは、2つの要因であることが明らかになった。判事の人事と司法府を取り巻く政治状況である。 まず、任用するものや任用されるものは誰なのか。第1に、政治家が任用に関与すれば、判事は政治家に遠慮する可能性が高い。第2に、任用される側について見れば、年功序列に基づいており誰もが順当と受け止める本命馬と、任命権者の政治力によって抜擢される穴馬では、(デシマル式)掛け率に比例して、任命権者への従属度が高まる。第3に、憲法裁判事に任命されるのが、職業裁判官限定なのか、弁護士などの法律家も含まれるのか、あるいは政治家や官僚も含まれるのかといった点も判決に影響を与える。第4に、判事には、任期があるのか、定年があるのか、任用されるのは何歳くらいなのか。 次に、司法機関が政治へのチェックに積極的になるかどうかは、政治勢力の分散的多元的配置状況に左右される。政治アクターが分散的多元的であるほうが、司法化は活発になりやすい。インドネシアでは、民主化したとはいっても軍隊の政治的な影響力が強く、政党は多元的な状況にあるため、憲法裁判所が司法化に積極的になりうる余地が大きい。また、大統領の任期が1期に限定される国では、個々の大統領の権力最盛期が短期間に限られ、司法機関が執政府に挑戦できる可能性が高い。それとは一味異なって、司法機関が政治的中立性をかなぐり捨てたエジプトやタイでは、司法は敵対陣営に対して手厳しい判断をためらいなく下しうる。 年度末に『政治の司法化と民主化』という成果報告書を作成した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)