2014 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳の視点から探る日本哲学―日本と東アジア・日本と西洋における言語と思想の相関性
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26284003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上原 麻有子 京都大学, 文学研究科, 教授 (40465373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 勝明 姫路獨協大学, 外国語学部, 教授 (00203985)
小浜 善信 神戸市外国語大学, 付置研究所, 名誉教授 (10124869)
長野 美香 聖心女子大学, 文学部, 准教授 (10272733)
嶺 秀樹 関西学院大学, 文学部, 教授 (30181960)
田中 久文 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30197412)
平子 友長 一橋大学, 社会(科)学研究科, その他 (50126364)
美濃部 仁 明治大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50328960)
清水 正之 聖学院大学, 人文学部, 教授 (60162715)
竹花 洋佑 大谷大学, 文学部, その他 (60549533)
杉本 耕一 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (70709659)
藤田 正勝 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90165390)
加藤 泰史 一橋大学, 社会(科)学研究科, 教授 (90183780)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 翻訳学 / 京都学派 / 比較思想 / 言語哲学 / 日本思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
・7月、京都大学―打ち合わせ会を行い、研究期間における役割分担や研究概要について確認した。 ・12月、京都大学―「日本哲学史フォーラム」(定期公開講演会)を開催。講演者は科研グループの杉本耕一氏と、西田研究で知られる小林敏明氏であった。両氏の講演には言語と思考、翻訳の問題が含まれており、グループのメンバーは講演会への参加者と共にこれについて議論することができた。 ・12月、京都大学―「西田幾多郎の「場所」の英訳から原著を読み直す」という研究会を開催。上原が、日本哲学を他の言語により表現することは、原著の思想を深く理解するきっかけとなる、という趣旨の説明を行った。これの実践報告は、京都大学・日本哲学史専修の学生・OD4名が担当し、グループのメンバーと議論し、場所」における様々な翻訳の問題を掘り下げることができた。小林氏も議論に参加し、この場で得た考えを論文にをまとめ、『日本哲学史研究』(京都大学・日本哲学史研究室紀要)に寄稿して下さった(平成27年度に出版予定)。 ・平成27年1月、台湾の中央研究院中國文哲研究所が主催するシンポジウムCross-Cultural Phenomena in the Modern Exchange between East Asian and Western Tought”に、グループが参加。藤田正勝氏、田中久文氏、上原が発表した。三人は、日本哲学における「表現」という問題に関連する「形なきものの形」をテーマに各自報告した。 ・上原独自の活動:11月、東京大学―京都大学・日本哲学史専修とUTCPの合同セミナーを開催。テーマは、Japanese Philosophy and Translation: Re-reading Nishida Kitaro’s“Basho” through its Translation in English”である。「場所」の翻訳者、John W.M. Krummel氏も参加した。両大学の若手5人が、翻訳と原著の比較研究を報告し、Krummel氏と共に英語で議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、本科研費による研究グループ内でのテーマをめぐる検討会の回数をより多く入れるはずであったが、各メンバーの日程の問題があり、初年度は2回に限られた。しかし、予定外ではあったが、大変有益な研究の機会を得ることができた。ドイツで研究活動を行う小林敏明氏や「場所」の翻訳者であるアメリカのKrummel氏との研究会を実現することができた。また、台湾の中央研究院で開催されたシンポジウムにグループとして参加し議論する機会を得ることができた。従って、予定は変更されたが、全体としては順調に成果を出すことができたと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は、研究グループ内のメンバー(分担者、協力者13名)による、翻訳と哲学に関する報告が十分になされなかった。今年度は、グループ内部からの研究成果を引き出してゆきたい。この目標に向けて、すでに決まっている7月と12月の「日本哲学史フォーラム」(京都大学における公開講演会)および科研研究会という4回の場での、メンバーの調査と思索の成果発表を促したい。また、計画書に記載した具体的な検討課題として、現代日本語による哲学言語と古典語や詩的言語との間には、「思考する」という観点からどのような違いがあるのかという問いがある。この問いを是非掘り下げてみたい。7月の「日本哲学史フォーラム」には、グループ外から歌人、日本映画研究者、漢文学者が参加するため、この場で、十分に議論できるはずである。
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Research Products
(8 results)