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2014 Fiscal Year Annual Research Report

絵画表現における風土と技術-膠を中心とする伝統的材料の持続性に関する調査研究-

Research Project

Project/Area Number 26284032
Research InstitutionAichi University of the Arts

Principal Investigator

北田 克己  愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (50242251)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森田 恒之  国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (10133612)
稲葉 政満  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 教授 (50135183)
岡田 眞治  愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (60295582)
吉村 佳洋  愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (10336670)
白河 宗利  愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (70336668)
荒井 経  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (60361739)
半田 昌規  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 講師 (20538764)
早川 典子  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存修復科学センター, 主任研究員 (20311160)
阪野 智啓  愛知県立芸術大学, 美術学部, 講師 (00713679)
王 培  愛知県立芸術大学, 美術学部, 非常勤講師 (00600587)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords膠 / 絵画 / 伝統的材料 / 国際情報交換 / 中国
Outline of Annual Research Achievements

1.国際調査 平成26年11月。膠の流通と作品への使用状況を中心として膠全般の情報に聴き取りと作品調査を中国3都市で行った。(1)趙栗暉氏 天津美術学院副教授 中国画教学実験室、天津美術学院にて(2)唐勇力氏 中央美術学院中国画学院院長、全国美術展覧会国画系審査員、北京近郊のアトリエにて(3)候黎明氏 敦煌研究院美術研究所所長、王旭東氏 敦煌研究院常務副院長(当時)ほか、敦煌研究院にて。趙栗暉副氏は工筆画家であり、敦煌壁画を主とする古典絵画の技法材料研究者である。古典文献を参考に膠の復元試作も行っている。唐氏は中国画の教育界、画壇における指導的地位にある。その影響力から今後の中国絵画における膠技法普及の動向を窺うことが可能である。敦煌においては莫高窟壁画を調査するとともに、その技法材料について侯黎明氏、王旭東氏らと意見交換した。研究所所属の多くの模写従事者が膠を使った「岩彩画」の作家であり、敦煌は中国における当領域の拠点のひとつである。使用されている膠は3カ所とも中国国内で普及する明膠であり、日本の洋膠に相当するものと思われる。
2.文献調査とデータ化 膠に関する雑誌、新聞記事等の収集。また森田恒之氏(分担者)所蔵の資料のデータ化を行った。
3.絵画材料としての持続可能性研究 平成27年3月姫路高木地区での古典的膠試作をワークショップとして実施した。川漬け(原皮脱毛処理の前工程)した鹿革、牛皮による抽出を行い、製造工程を検証した。また、メーカー、大学(多摩美術大学、京都造形芸術大学)等において聴き取りを行った。
4.研究ネットワークの構築 愛知県立芸術大学の学内研究会(平成26年9月、12月)、全体研究会(同5月)を開催し、拠点化に必要な研究活動について意見交換を行った。平成26年7月および12月には膠文化研究会主催の公開研究会が開催されるにあたり運営支援を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「伝統的材料の文化的、歴史的とらえ直し」フィールド調査、文献調査、各分野(作家、教育現場、保存技術者、生産者)でのヒアリングを通じて基礎情報、資料の蓄積を進めている。
「国際フィールド調査」専門家の意見聴取と作品調査によって現代中国絵画における膠使用状況、古典絵画の膠を含む材料技法についての情報を収集した。
「絵画表現における膠技法研究」主に大学に関わる作家にその絵画制作における膠使用と教育に関して聴き取りを進めている。
「伝統的材料の持続可能性研究(フィールド調査と生産支援)」伝統的な製造工程を推定復元した膠試作を行った。
「研究拠点とネットワーク構築、およびワークショップ開催」膠文化研究会主催による研究会開催を支援し、科研としての研究会においては分担者同士の情報交換が活性化している。
上記のように、全体として概ね年初の計画を達成している。

Strategy for Future Research Activity

「伝統的材料の文化的、歴史的とらえ直し」研究の基礎となる調査、資料収集を一層進める。これを基礎として研究会での議論の深化を目指してゆく。
「国際フィールド調査」中国調査では使用、流通について一定程度の成果を得たが、製造状況について再調査の可能性を検討している。欧州も計画中であり、輸入膠の製造状況についての調査を実施する。
「絵画表現における膠技法研究」さらに大学を中心に聴き取りを進めるとともに、昭和前半にホルマリンなどの薬剤を絵画材料として導入した作家の使用状況を現存する関係者に聴き取りする。同様に過去を知る高齢の証言者に対する調査を検討する。
「伝統的材料の持続可能性研究(フィールド調査と生産支援)」製造を継続する地域と研究との連携を強化するための支援やワークショップ開催を継続する。
「研究拠点とネットワーク構築、およびワークショップ開催」本年度以降、本研究主催の公開研究会を開催する。研究者との国際交流についても検討している。蓄積した情報、資料の活用、アクセシビリティについても検討している。そのため、まずホームページの立ち上げを行う。

Causes of Carryover

採択額に対応して調査用電子機器(パソコン等)の購入を控えたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成27年6月開催計画の公開研究会の運営経費として使用する予定である。

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Published: 2016-06-01  

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