• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Annual Research Report

絵画表現における風土と技術-膠を中心とする伝統的材料の持続性に関する調査研究-

Research Project

Project/Area Number 26284032
Research InstitutionAichi University of the Arts

Principal Investigator

北田 克己  愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (50242251)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森田 恒之  国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (10133612)
稲葉 政満  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 教授 (50135183)
岡田 眞治  愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (60295582)
吉村 佳洋  愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (10336670)
白河 宗利  愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (70336668)
荒井 経  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (60361739)
半田 昌規  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 非常勤講師 (20538764)
早川 典子  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存修復科学センター, 主任研究員 (20311160)
阪野 智啓  愛知県立芸術大学, 美術学部, 講師 (00713679)
王 培  愛知県立芸術大学, 美術学部, 非常勤講師 (00600587)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords膠 / 伝統材料 / 国際ネットワーク
Outline of Annual Research Achievements

2015年5月姫路市網干地区のゼラチン製造業者での調査、および意見交換を行った。当該企業はゼラチン、コラーゲンの製造を行う傍ら、2011年より絵画用膠の製造に参入している。代表者は三千本膠と称される家内工業的な和膠の製造休止を受けて、膠の製造集積地にある事業者として社会貢献を果たしたいとの思いがあったと語る。他製品と共通のラインを使いながらも工程を分岐して手作業での行程を導入し、和膠の製造方法を一部復元している。絵画材料としての持続可能性の側面から重要な取り組みである。本研究チームとも製造当初から交流を維持しており、今後も連携を進める。
6月東京藝大において膠文化研究会との共催による公開研究会「膠入門」を開催した。膠ユーザーを対象として、基礎中の基礎と言うべき膠に関する知識の教育普及を目指して本研究分担者、研究協力者が発表を行った。公開研究会の参加者は日本画制作者、修理技術者、保存科学研究者、膠製造者などを中心として広がりを見せており、人的交流が活性化され、膠に関する研究ネットワークが形成されつつあると見ている。
11月にはリーフレット「膠の基礎知識」を刊行し、大学、研究機関への配布を行った。膠の種別を製造方法によって「洋膠」、「和膠」、「古典的膠」に区分し、その歴史的、社会的背景にも触れながら、製品の性状の違いに関与する可能性について示した。この区分については、今後の膠研究が必ず採用する標準概念になり得るものである。
試作した膠の試用によって材料と表現に関する考察を行い、データを蓄積し、生産者と共有する取り組みも継続している。数値によらないモニター結果の分析は難しいが、ユーザーの製品への積極的な関与と生産者との意思疎通は今後の膠の持続可能性にとって極めて重要であり、製品の改善にも資するものである。本研究の主要な意義のひとつである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

公開研究会の開催やリーフレット作成および配布によって、研究成果の一部を広く普及させた。これら活動は膠研究の標準概念として今後の研究に資するとともに研究ネットワーク構築に寄与している。
材料と表現に関する考察において、膠試作とその試用は求められる膠についての基礎データとなるものである。またユーザーと製造者とのデータ共有は絵画材料としての持続可能性においても欠かせない。
各活動は文献研究を伴っており、こうした情報を普及するためのアクセシビリティに優れたデータベース化、公開方法についても検討を進めている。
一方、予定していた海外調査(欧州)は調査メンバーの都合により、28年度に延期せざる得なかった。来年度の実施に向けて、調査先を吟味し、照会を行っているところである。

Strategy for Future Research Activity

海外調査については、国内では窺い知れない欧州の製造、流通、利用状況について把握する。調査対象として美術、文化財修復分野のみならず、楽器製造も利用領域として想定する。
古典的膠の概念を提示することが膠研究の向上、拡大に資するものと考えるが、その試作を引き続き行う。この活動はワークショップ形式でユーザーの参加を受け入れており、体験と知識を普及するとともにネットワーク形成にも寄与するものである。
愛知県立芸術大学を会場とする科研費主催による公開研究会を開催する。東京以外では初となるものであり、本研究会を通じて膠の製造、利用についての知識を普及し、膠研究を促進し、研究ネットワーク形成を図る。
膠研究は日本が主導すべき使命を担っており、その研究成果を国際的に普及するため、27年度作製したリーフレット「膠の基礎知識」の英語版を作成、刊行する。

Causes of Carryover

EU調査が参加者の都合で延期された。

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度計画の調査を予定通りに28年夏頃実施する。

Research Products

(1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 膠文化研究会

    • URL

      http://nikawalabs.main.jp/index/

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi