2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26284099
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
熊谷 公男 東北学院大学, 文学部, 教授 (70153343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 慈司 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (20581101)
堀 裕 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50310769)
川尻 秋生 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70250173)
遠藤 慶太 皇學館大学, 付置研究所, 准教授 (90410927)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 類聚三代格 / 金沢文庫本 / 前田家本 / 校訂 / テキスト |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に決定した校訂作業の各巻の担当者がそれぞれの担当巻について校訂作業を進めながら、問題点を出し合い、校訂作業の方針を具体的に定めていくことを中心に共同研究を進め、また重要な写本の一つである東北大学附属図書館所蔵の狩野文庫本『類聚三代格』(抄録本)の調査を行った。 7月19日(日)13:00~16:00に早稲田大学戸山キャンパスにて今年度第1回目の研究会を開催した。巻1と巻3の校訂作業を通しての問題点が話し合われ、校異の形式や補注の付け方、『続日本紀』本文との異同の意味などについて活発に議論された。とくに巻3の国分寺建立勅は『続日本紀』『東大寺要録』所収テキストとの異同にさまざまな問題があることが明らかとなり、今後さらに検討を重ねていくことになった。 3月11日(金)13:00~16:30に東北大学附属図書館で狩野文庫本『類聚三代格』の調査を行った。特に、すでに刊行されている影印本では確認が困難な朱書や重ね書き、擦り消し訂正などについて、参加者で意見交換などをしながら確認を行い、多くの点を明確にすることができた。 翌3月12日(土)、10:00~15:10東北学院大学土樋キャンパスで第2回の研究会を開催した。巻8については、金沢文庫本系統と前田家本で格の配列順に大きな違いがあることが指摘され、その理由について意見交換が行われた。また印本の草稿本とみられる国会図書館本の調査結果についても報告があった。さらに巻3について、前回の補足の報告があり、『東大寺要録』所載勅や前田家本の加筆訂正などについて指摘があった。 最後に、これまで出された校訂作業の問題点について、確認・整理し、凡例作成に向けて意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は校訂の方針を明確にすることが最大の目標であったが、かなりの程度目標を達成できたと思われる。また重要な写本の一つである狩野文庫本の調査を行ったことも収穫であった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、校訂方針をさらに明確化し、それにもとづいて凡例案を整備することが最優先事項であり、後半からはそれぞれ担当巻の校訂を進めていくところまで行っていきたい。 また、必要に応じて写本調査も行いたい。
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Research Products
(12 results)