2016 Fiscal Year Annual Research Report
職場におけるリフレクションとアンラーニングに関する実証研究
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26285078
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松尾 睦 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20268593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠見 孝 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70195444)
高橋 潔 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90298555)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リフレクション / アンラーニング / 批判的思考 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、さまざまな組織の従業員を対象とした質問紙調査を通して、次の点が明らかになった。第1に、日本の製薬会社の従業員に対する質問紙調査データを分析したところ、マネジャーの探索的活動(exploration activities)が、メンバーの学習志向とリフレクションを媒介して、メンバーのアンラーニングに影響を与えていた。 第2に、米国の組織で働く従業員に対するネット調査データを分析したところ、従業員のリフレクションと学習志向がジョブクラフティング(job crafting)(挑戦の追求)を促し、その結果としてワークエンゲージメント(work engagement)が高まるという関係が見られた。 第3に、日本のサービス企業および製造企業の従業員に対して質問紙調査を実施した結果、チームレベルのアンラーニングが、メンバーのリフレクションを完全媒介する形で、メンバーの創造性を高めていた。 第4に、日本の看護師に対するネット調査データを分析したところ、組織風土と環境変化および危機感が組織のアンラーニングを介して,仕事の変革の実装と成果に影響していた。また、批判的思考態度と内省が個人のアンラーニングを介して,専門看護師としての自律性や役割行動を促進していた。 上記の実証研究により、主に個人レベル、およびチームレベルにおいて、リフレクションやアンラーニングの規定要因と結果要因が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リフレクションやアンラーニングを促進するマネジャーの特性や状況特性を検討することができたと同時に、米国における質問紙調査を実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、日本の公務員や看護師を対象とした質問紙調査に基づき、マネジャーのエンパワリングリーダーシップやサーバントリーダーシップが、メンバーのリフレクションやアンラーニングに及ぼす影響を分析するとともに、米国におけるネット調査によって、リフレクションやアンラーニングが心理的エンパワーメントや仕事の有意味性に与える影響を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
高額な費用がかかる「米国におけるネット調査」の実施を予定しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
米国におけるネット調査の実施
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