2016 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Research on Globalizing and Localizing of Target Costing
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26285103
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 信匡 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90216094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 順也 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (10364689)
鈴木 新 就実大学, 経営学部, 講師 (10637002)
大浦 啓輔 立命館大学, 経営学部, 准教授 (20452485)
梶原 武久 神戸大学, その他部局等, 教授 (30292080)
河合 隆治 同志社大学, 商学部, 准教授 (30368386)
卜 志強 大阪市立大学, 経営学研究科, 准教授 (80419671)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 原価企画 / コストマネジメント / 製品アーキテクチャ / インテグラル / モジュラー / 製品の開発設計マネジメント / アンケート調査 / インタビュー調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、わが国の製造業における原価企画(製品の開発設計段階における原価管理)のグローバル化やグローカル化の程度(分散化の程度の把握:課題1)、そこでの影響要因と関連要因(関連要因の影響の把握:課題2)、および、分散化した原価企画を再統合する仕組み(再統合の仕組みの探索:課題3)について、その実態を経験的に調査し、これまで画一的に検討されてきた原価企画を激変するグローバル経済の中でとらえなおすことである。 平成28年度の主要な研究活動としては、1)製品アーキテクチャ論の視点から原価企画を再構築する作業に取り組んだことと、2)製品アーキテクチャ論の観点からアンケート調査の質問項目を大幅に改良したこと。3)文献調査であった。 まず、1)について説明しよう。製品アーキテクチャ論はアーキテクチャの特徴から製品をインテグラル型とモジュラー型に分類する。日本のコスト競争力を支えてきた原価企画は、インテグラル型製品に対するコストマネジメントであると特徴付けることができ、モジュラー型の量産効果によるコスト低減と違って、顧客のニーズに合わせた機能と高い品質の製品を安くできるようなコスト最適化を狙っているものであることを文献から明らかにした(清水(2017))。 さらに、2)これまでのアンケート調査の質問項目を大幅に改良した。これについては、清水、坂口、河合、大浦が取り組んだ。まず、企業の主要な製品の特徴をアーキテクチャから分類するための質問項目を作成した。この点に関して、梶原は河合伸との共同研究「不確実性と原価企画の実践に関しての適合関係」の実証研究をおこなっている。また、卜志強は、アメーバ経営と原価企画との関係の実態調査にも取り組んでいる。 3)原価企画の概念モデル精緻化のための文献調査:鈴木は原価企画の目標原価設定方式としての許容原価方式の歴史的検討をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
製品アーキテクチャ論の視点から原価企画の概念モデルを作ることに成功した。それによって、原価企画の実態をより実践的な視点から把握できる目処がついた。研究会を通じて情報共有を進めてきた。順調に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、課題1と課題2についてのアンケート調査・送付・回収・分析と、課題3のために国内外の開発拠点に集中的なインタビュー調査を行う。 アンケート調査については、上記の質問票を東証一部二部の製造業を中心に送付する予定である。質問項目は主要な製品グループに対して設定する予定である。アンケートの送付部門は原価企画の主管部門を中心に予定している。アンケートの送付、回収、整理・打ち込みは、清水を中心におこない、分析については、清水の管理の下で坂口、大浦、河合が主におこなう。また、このアンケート調査の結果は、インタビュー調査で用いる半構造化した質問事項作成のために利用する。 また、課題3に対しての国内外の開発拠点へのインタビューについては、製品アーキテクチャ論から原価企画がどのようなコストマネジメントをおこなっているのかということについて、聞き取り調査をおこなう予定である。なお、この集中的なインタビュー調査は、清水、梶原、卜、鈴木が主に行う予定である。 アンケート調査の結果の概略「原価企画のグローカル化と統合化関する実態調査(仮題)」をまとめ、アンケート回答企業を中心とした企業に送付する。また、日本会計研究学会、日本原価計算研究学会、日本管理会計学会などの国内学会や、海外学会での成果報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に予定していたアンケート調査を本年度に実施するため。前年度にアンケートの質問項目を製品アーキテクチャ論に基づいて大幅に変更した。そのために、アンケートの実施を本年度に延期した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度にアンケート調査を実施する。アンケート調査については、東証一部二部の製造業を中心に送付する予定である。質問項目は主要な製品グループに対して設定する予定である。アンケートの送付部門は経理部を中心に予定している。
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