2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26285110
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹辺 宣彦 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90212125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 麻理 名古屋文理大学, 健康科学部, 教授 (60434635)
山口 博史 都留文科大学, COC推進機構, 准教授 (70572270)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会学 / 産業都市 / 地域コミュニティ / 市民活動 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、豊田市のニュータウン、旧農村地区の自治区と関連活動団体、保見地区の教育支援活動に従事するNPO、市役所の関連部署へのインタビュー調査を精力的におこなった。また年度末にはトヨタ自動車東日本総務部と同社が立地する宮城県大衡村役場に赴きインタビュー調査をおこなうことができた。 このような作業と平行して、4月には名古屋大学で開催された国際研究集会Workshop on the Urban History of Britain and Japanで、Community Life of Toyota Workersと題する報告をおこない、5月には地域社会学会第39回大会で「トヨティズムと地域社会」というテーマで報告をおこなった。また9月には中国の吉林大学から田毅鵬教授と鄭南講師を招聘し、地域調査研究会で中国の都市における基層社会のガバナンスと草の根NGOの活動について報告いただいた。 書誌研究業績では、9月には日本都市社会学会年報32号に刈谷市に関する投稿論文「先進産業都市刈谷の現在と地域コミュニティ形成」が掲載され、10月には、東信堂から『豊田とトヨタ 産業グローバル化先進地域の現在』(丹辺・岡村・山口編)という編著を刊行することができ、これまでの研究をいったん総括することができた。外国語文献としては、6月に中国の著名な学術誌『学習与探索』に「豊田地域"職縁社会"背景下志願活動的展開」という論文が掲載された。これは中国側の研究協力者である吉林大学鄭南講師との共著論文であり、国際研究協力としての成果である。 一般市民向けには、第51回名大カフェの講師として、「産業グローバル化先進都市豊田の地域コミュニティ」という報告をおこない、一般市民に研究成果の一端を還元することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度は、豊田研究に関するインタビュー調査を多数おこないながら、重点地区である市内の東山地区、保見地区では地域のまちづくりリーダーたちとのラポールも築くことができた。また調査困難なトヨタ自動車系企業にも訪問調査をおこなうことができた。業績に関しては、英語による口頭発表の他、書誌業績も順調に出すことができた。とくに430頁におよぶ大部な編著を刊行することができ、その内容が中日新聞、東海日日新聞などで紹介されたこと、市民向けの公開講座で報告することができたことは研究成果の社会への還元という点で意義が大きかった。研究のパートナーである吉林大学との交流を深め、研究成果を出すことができた他、南京大学からも講演依頼が来ており(2015年5月訪問予定)、学術交流面で日中友好に貢献することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は過去2次の科研プロジェクトを引き継ぐかたちで順調に業績を上げることができた。27年度は、豊田市重点地区での質的調査に加え、旧市内を対象地区とした第二次の量的調査を実施し、これまでの調査結果のデータの信頼性を確認しつつ、地域社会・市民活動の変化もとらえることが課題となる。また、引き続き吉林大学と協力しながら、自動車産業が立地する東アジアの産業都市の比較研究を推進していきたい。可能であれば講演に招待された南京大学の社会学スタッフとの協力関係も構築していきたい。
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Causes of Carryover |
26年度は、中国の吉林大学で市民活動に関するシンポジウムが開催されるのにあわせ研究打ち合わせを兼ねて同大学を訪問する予定であったが、先方の都合で開催が延期されてしまい、年度内に訪問することができなかった。また大衡調査を二度実施する予定であったが、トヨタ自動車東日本から調査協力を得るのに時間を要し、一回の実施にとどまった。このため予定していた旅費と滞在費を使うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は9月上旬に吉林大学哲学社会学院を訪問する予定である。また夏季休暇期間に大衡周辺でのインタビュー調査を実施する。この他に大規模な質問紙調査を実施する予定がありこれに多額の経費を要するため、経費を有効に活用したいと考えている。
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Research Products
(6 results)