2016 Fiscal Year Annual Research Report
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26285152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日野林 俊彦 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80156611)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発達加速 / ヘテロクロニー / 初潮 / 思春期 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年2月に実施した全国調査の単純集計を2016年6月に終え、同月、調査協力校に報告書を送付した。今回の調査では、47都道府県から小学校509校、中学校594校、計1,103校(回収率15.9%)の協力により、のべ42,066人の個人資料を得た。ただし、初潮・初経に関する有効回答者は41,838人(有効回収率99.5%)であった。母集団約335万人の1.2%に相当する。全国集計の結果、小学校4年生の既潮率は7.7%(前回7.4)%、5年生27.4(25.2)%、6年生60.0(57.6)%、中学校1年生83.1(82.8)%、2年生95.5(95.1)%、3年生98.4(98.7)%であった。()内の2011年に比較して、中3以外微増傾向であった。これらの学年別既潮率からプロビット法(対数変換なし)により推定した。平均初潮年齢(50%推定年齢、中央値)は、12歳1.7ヵ月(標準偏差1歳4.0ヵ月)であった。1997年以降、12歳2ヵ月程度で推移していたが、わずかに低年齢化した。世界的な低年齢が持続していると考えられる。ただし、上記学年別既潮率からの平均初潮年齢は、満月齢別既潮率の推移と比較すると、誤差が見られることが判明した。一方、思春期変化の時期に個人差があることはよく知られている。小学校3年生までの来潮者は、0.79%であり、全国で各学年4,500人程度存在することになる。他方、中学3年2月で既潮率が98.4%ということは、1.6%の未潮者が存在することになり、調査時点での中学3年生在籍者574,046人から推測すると9,334人になる。中学卒業時にも9千人前後の未潮者が存在すると推定される。さらに、付加質問として、性別受容、調査前夜の就寝時間、調査日の起床時間、この1週間の朝食回数、将来の職業の単純集計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要で記述したように、本研究の基礎であり出発点でもある平均初潮年齢の推定法に関して、学年別既潮率からの推定法には方法論上の問題点がはっきりした。このため再計算が必要となり研究に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
平均初潮年齢の推定法に関しては、満月齢による計算による分析を進める。これにより、各種統計分析を実施し、初潮年齢の意義をヘテロクロニー仮説、および生活史理論にもとづき分析する。
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Research Products
(3 results)