2014 Fiscal Year Research-status Report
離婚後の共同養育の支援体制の構築ー家族観の国際比較と親の心理教育プログラム
Project/Area Number |
26285156
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
小田切 紀子 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (10316672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 豊 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 教授 (60173788)
宇井 美代子 玉川大学, 文学部, 准教授 (80400654)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家族意識 / 面会交流 / 離婚後の親教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1「日本の家族意識調査」 離婚観、イエ意識、離婚後の共同養育に対する意識、好意的・敵意的セクシズムなどを尋ねるアンケート調査票を作成し、平成26年10月に東京都、神奈川県、千葉県に在住の20歳以上の成人を対象にした調査を実施した。有効回答数は901名である。すべての統計分析を終え、研究代表者と分担者は、平成27年度の学会発表の準備を進めている。 研究2「面会交流の実態調査」 離婚した親と子ども(小学生以上)を対象とした調査票を作成し、面会交流支援団体8つに依頼して、郵送による調査を実施しており、調査票の一部が返送されている。親対象の調査票は、離婚時の状況(離婚時の年齢、離婚の方法、離婚の理由、離婚に至るまでの経緯など)、面会交流と養育費の取り決めの有無、面会交流の実施状況と満足度(取り決めなしや中断の場合は、その理由)、子どもとの信頼関係を尋ねる尺度などから成る。子ども版の調査票は、小学生対象と中学生以上に分けた。内容は同一であり、面会交流の有無、面会交流がある場合は、その内容や頻度、満足度など、面会交流がない場合は、別居親との交流についての意向や希望、さらに同居・別居親との信頼関係を尋ねる尺度などから成り立つ。 研究4「親教育プログラムと養育プランの実践」 アメリカ・ケンタッキー州で実践されている親教育プログラム(日本での名称・FAITプログラム)をプログラム創始者の許可を得て、日本の家族に社会的・文化的に適合するように改訂し、平成26年10-12月に離婚した親(父親・母親、子どもと同居・別居親)21名を対象に試行実践を行った。その結果をもとに、さらに内容を改訂し、平成27年1月25日に兵庫県明石市において実践した。明石市と参加者より肯定的なフィードバックを得て、平成27年度から離婚した親を対象に導入が決定した。現在、複数の行政がFAITプログラムの導入を検討してくれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究1、研究2については、概ね予定とおりの進捗状況であるが、研究4については、離婚後の親教育プログラムが、試行実践を経て、兵庫県明石市で平成27年度からの導入が決定し、その他複数の行政において導入が検討されており、当初の計画以上に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1「日本の家族意識調査」:さらに統計解析を行い、その結果をもとに今回使用した尺度の一部を英語、韓国語に翻訳して、国際比較調査を実施する準備を始める。 研究2「面会交流の実態調査」:調査票の回収作業が完了してから、データ入力および統計分析を行う。 研究3「家族観と離婚観に関する国際比較調査」:調査票の準備を整えると同時に、アメリカと韓国での調査の実施方法について、現地の事情に詳しい専門家に相談して、具体的手順を検討する。 研究4「親教育プログラムと養育プランの実践」:兵庫県明石市での実践を着実に進めるとともに、全国の行政での導入に向けて、親教育プログラムのデモンストレーションや試行実践を積極的に展開していく。
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Causes of Carryover |
共同研究者(筑波大学・松井豊)の分担金の使途が、物品費のみで国内旅費などの支出がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同研究者(筑波大学・松井豊)の平成27年度の支出予定は、学会発表に伴う国内旅費などが予定されており、分担金の使途のアンバランスは解消されると報告を受けている。
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Research Products
(3 results)