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2014 Fiscal Year Annual Research Report

外国語力と外国語副作用の関係 ― 外国語力が等しければ思考力の低下量も等しいか?

Research Project

Project/Area Number 26285163
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

高野 陽太郎  東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (20197122)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 柴崎 秀子  長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00376815)
森島 泰則  国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20365521)
阪井 和男  明治大学, 法学部, 教授 (50225752)
原田 康也  早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80189711)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords知能 / 思考 / 言語 / 外国語 / 注意 / 二重課題 / 英語力 / 英語検定
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、外国語副作用(母語ほどには習熟していない外国語を使用している最中に起こる一時的な思考力の低下)と英語力(一般的な英語検定の成績)との間の関係を調べることであった。
平成26年度には、実験計画を策定した上で、外国語副作用を測定するための課題と実験プログラムを作成し、早稲田大学における英語の複数の授業を利用して集団実験を行なった。また、この集団実験に参加した受講生には、TOEIC と Versant English Test を受験してもらった。計65名の大学生からデータをとることができた。
外国語副作用を測定するための思考課題としては、加算課題(2桁の加算をできるだけ多く行う課題)推論課題(三段論法の妥当性判断を行う課題)の2種類を用いたが、いずれの課題においても、同時に遂行した言語課題が母語であった場合に比べ、英語であった場合には、思考課題の成績が低下しており、外国語副作用の生起が確認された。
一方、英語力と外国語副作用の大きさに関しては、2つの思考課題と2つの英語検定のどの組み合わせにおいても、相関は有意にはならなかった。この結果は、「外国語を使用しながら思考をする能力は、一般的な英語検定の成績にはあまり反映されていないのではないか」という予測と一致するものではあるが、実験データを分析した結果、実験方法に問題があったことが判明し、今回の実験データからこのような結論を引き出すことは難しいことが明らかになった。第1の問題は、外国語副作用実験では練習効果が大きかったことである。第2の問題は、特に三段論法課題における個々の問題の難易度にバラツキが多かったことである。これらの問題の結果、外国語副作用の測定値が安定せず、外国語副作用と英語力との間の相関が過小評価された可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初の予定では、平成26年中にデータ収集のかなりの部分を終えることになっていたが、実験計画や実験課題の修正を行わなければならなかったため、本格的なデータ収集は平成27年度と28年度に持ち越されることになった。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は、外国語副作用実験の問題が明らかに時点で、実験計画と実験課題の変更を開始した。具体的には、練習効果を小さくするために、日本語試行と英語試行を1回ずつから2回ずつへと変更し、それに伴って言語課題の問題を新たに作成して問題数を増やした。また、三段論法課題における難易度のバラツキの問題に対処するために、三段論法課題に替えて、言語性知能を測定するための問題に準じた問題を新たに作成し、予備実験によって難易度を一定の範囲に収めた。これらの変更に伴って、実験プログラムにも変更を加えた。こうした修正は平成26年度中に終えることができたので、平成27年度からは本格的なデータ収集を開始し、集団実験ばかりではなく、個人実験でのデータ収集も開始する。

Causes of Carryover

前期に早稲田大学で実施した集団実験の結果を分析したところ、実験計画や実験材料などに修正を加える必要のあることが判明したため、実験を中断して、夏休みから後期にかけては修正作業を行なっていた。個人実験と後期の集団実験を行うことができなかったため、そこで使用する予定になっていた研究費が未使用となった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成26年中に実験計画等の修正を終えることができたので、平成27年度に実験を進め、そこで研究費を使用する予定。

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Published: 2016-06-01  

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