2015 Fiscal Year Annual Research Report
大学教育の内部質保証を担うミドルマネジメント人材の専門性開発に関する国際比較研究
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26285186
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 和弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (30397921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 朋子 立命館大学, 教育開発推進機構, 教授 (10345861)
高野 篤子 大正大学, 人間学部, 准教授 (30513048)
佐藤 万知 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (10534901)
立石 慎治 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 研究員 (00598534)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 専門性開発 / ミドルマネジメント / 大学教育 / 内部質保証 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、前年度の国内・海外調査の成果を日本教育学会第74回大会で研究発表を行った。同発表では、国内外におけるアカデミック・リーダー育成ニーズの高まりを概観するとともに、米国と豪州の複数の機関・団体で提供されているアカデミック・リーダー育成プログラムの事例分析を踏まえてプログラムの構造及び内容を構造化し、その分析に基づいて、日本への示唆として教学マネジメントと多様な主体によるプログラム開発の必要性を明らかにした。 他方で、東北大学(大学教育支援センター)で開発した「アカデミック・リーダー育成プログラム(LAD)」の提供を平成27年度8月より開始し、その運営を通して研究成果を実践に応用する取組みも進めた。その先駆けとなった「大学教育人材育成プログラム(EMLP)」については、平成27年6月にカナダ高等教育・学習学会(STLHE)の第35回年次大会(バンクーバー)のラウンドテーブルにて報告するとともに、平成28年3月の京都大学・第22回大学教育フォーラムのポスターセッションでも報告を行った。両報告を通して、我が国におけるアカデミック・リーダー育成の取組状況とプログラム開発・運営上の課題について情報発信を行った。また、平成27年11月には東北大学高度教養教育・学生支援機構主催の国際シンポジウム「変貌する高等教育におけるアカデミック・リーダーシップ-豪・英・台湾・日本の比較-」を企画し、国際比較の観点から日本におけるアカデミック・リーダー育成のありようを検討した。 また、平成27年度8月から、国内大学団体の実施している管理職研修等のプログラムについて聴き取り調査を行うとともに、平成28年2月~3月には米国及びカナダの大学等におけるアカデミック・リーダー育成プログラムについて担当者へのインタビュー及び一部プログラムの参観を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、当初予定していなかったマレーシア高等教育におけるリーダーシップ育成プログラム(The Higher Education Leadership Program of Malaysia)の調査を行うことを予定していたが、研究分担者の日程が合わずに実現できなかった。同調査は平成28年度に実施する方向で準備を進めている。その他については予定していた調査等をおおむね進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成28年度は、学科長を例にミドルマネジメント人材の現状と育成課題について、これまでの国内外調査を踏まえつつ日本高等教育学会及び日本教育社会学会で研究発表を行う。また、年度後半には、IRを中心とした教学マネジメントにおけるアカデミック・リーダーシップのあり方について国際シンポジウムを開催する予定で準備を進めている。
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Causes of Carryover |
当初予定に入っていなかったマレーシア調査を平成27年度に実施する方向で研究を進めていたが、担当の研究分担者の予定が合わずに実施に至らなかった。同様に、国内調査旅費として計上していた部分も、研究分担者の都合で参加できなかった(調査自体は実施済)。また、研究課題に関する最新の学術書の発注を行ったが、一部高額な書籍について年度内に購入に至らなかった。以上の理由により次年度に使用を遅らせた経費が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度にマレーシア調査を始め、まだ調査対象の残る米国を中心に現地調査を遂行する。また、これまでの海外調査を踏まえ、IR等の教学マネジメントに携わるリーダーシップのあり方について国際シンポジウムを行い、本研究課題のまとめと情報発信を行う予定である。
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Research Products
(7 results)