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2014 Fiscal Year Annual Research Report

ニューカマー第二世代の義務教育卒業後のライフコースと次世代形成に関わる総合的調査

Research Project

Project/Area Number 26285193
Research InstitutionToin University of Yokohama

Principal Investigator

角替 弘規  桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 教授 (10298292)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 清水 睦美  日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70349827)
児島 明  鳥取大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90366956)
三浦 綾希子  中京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90720615)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords多文化教育 / ニューカマー / 第二世代
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、これまでのニューカマー研究の蓄積に基づいて、ニューカマー第二世代に焦点を当て、かれらの義務教育後のライフコースを描き出すとともに、ニューカマー第二世代がいかなる資源を蓄積しまたそれらをいかに活用しているのかを明らかにするものである。
特に本年度はカンボジア・ベトナム・南米(スペイン語圏)にルーツを持つ20代~30代を中心とする成人男性約20名を対象にインタビュー調査を実施し、そこから得られたデータを比較検討することで各グループの特徴について仮説的な説明を試みた。
①親子関係と結婚については、カンボジアグループは子供が成長した後も濃密な親子関係が見られる一方で、ベトナムグループと南米グループでは比較的独立した家族関係が見られた。こうした親子関係の違いは配偶者選択にも影響が及んでおり、カンボジア及びベトナムグループでは母国からの呼び寄せによる結婚が多く見られた。一方南米グループではこうした結婚は見受けられず、配偶者は主として本人の判断によって選択されていた。
②義務教育経験の良し悪しに関してみれば、カンボジアグループが比較的「良い」経験を持つのに対して、ベトナム及び南米グループでは「良/悪」が二分された。ベトナムグループでは学校経験が良かったものの方がその後転職傾向が少なく安定しているように見受けられた。学校経験が良いことは、言語に不安を抱えつつも参入した社会がうまくいけ入れてくれたことを意味し、それがその後にである社会への障壁を軽減するよう影響しているという仮説を示した。
③ルーツの表出について、ベトナム・カンボジアグループでは全員が、南米グループにおいても帰化した者を除いては表出されていた。ただし表出の仕方には積極的/消極的の違いが見られた。こうした違いは彼らが育った地域や通った学校において外国人性がいかに捉えられるかに大きく影響されると思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

年度当初の研究実施計画では、研究調査を①義務教育段階対象者追跡調査と②ニューカマー第二世代の家族編成に関する実態調査の二層で進めることを計画していた。
①義務教育段階対象者追跡調査については神奈川県大和市及び川崎市在住者を中心に約20名のインタビュー調査を実施し、その成果については日本教育社会学会第66回大会において研究発表を行ったものである。学会終了後にも引き続きインタビュー調査を実施しているが、当初予定していた件数に達することができなかった。
②ニューカマー第二世代の家族編成に関する実態調査についても、①と同時進行の形で進め、特にエスニシティごとの比較を念頭に実施した。これについては学会発表終了後に重点を置き実施する予定であったが、想定していたよりもインタビューの実施が難しい場合もあり、計画していたインタビュー実施数に達していない。今後、次年度以降の調査実施に向けての枠組み等の精緻化が必要である。
以上のことから、達成度については「やや遅れている」と評価した。
尚、インタビュー実施報告を主体とした研究会を原則隔月で開催し、調査データの共有を図りつつ検討を重ねるとともに、枠組み構築のための基礎理論に関する研究会も約3か月ごとに実施し、研究全体の統括を行った。これについては来年度以降も継続して実施予定である。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度の成果に基づきその課題を洗い出し、当初の研究実施計画に修正を加えながら研究を推進する。基本的には①義務教育段階対象者追跡調査と②ニューカマー第二世代の家族編成に関する実態調査の二層で展開する。
①義務教育段階対象者追跡調査については、10月頃までを目途に4月以降30件程度の追加インタビューを実施する。調査対象者の地域は神奈川県大和市および愛知県名古屋市を念頭に置いているが、今年度明らかになった課題に基づいて、調査対象地域を拡大することも検討する。滞日の調査対象者についてのインタビューは遅くとも12月までには終了させ、日本からの帰国者へのインタビューを行うための海外現地調査の実施について検討する。このうち、カンボジアグループに関しては本年度中に現地調査を実施することを計画している。
②ニューカマー第二世代の家族編成の実態調査についても、今年度に引き続いてエスニシティ間の比較を念頭にインタビュー調査を①と同時並行的に実施する。具体的には中国系、フィリピン系、インドシナ系、南米系を対象に調査を計画し、各グループについて新規で10件程度を実施したいと考えている。
上記①及び②のインタビュー調査の結果については日本教育社会学会第67回大会において発表することを予定している。
尚、平成27年度も原則隔月で研究会を開催し、メンバー間での調査結果の共有とともに研究全体の統括を図る予定である。

Causes of Carryover

平成26年度中に予定していた東北地方(石巻市)におけるフィリピン人第二世代に対するインタビューの実施件数が事情により当初よりも1回下回ったため旅費等について余剰が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

繰り越された次年度使用額は改めて平成27年度におけるインタビュー調査の実施に充当する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ニューカマー第二世代の青年期-義務教育の経験と就職後の生活状況との関係に注目して-2015

    • Author(s)
      清水睦美、チュープ・サラーン
    • Journal Title

      日本女子大学紀要 人間社会学部

      Volume: 25 Pages: 35-49

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 南米にルーツを持つニューカマーの青年期2015

    • Author(s)
      角替弘規
    • Journal Title

      桐蔭論叢

      Volume: 32 Pages: 未定

  • [Presentation] ニューカマー第二世代の青年期-義務教育の経験と就職後の生活状況との関係に注目して-2014

    • Author(s)
      清水睦美、角替弘規、チュープ・サラーン
    • Organizer
      日本教育社会学会第66回大会
    • Place of Presentation
      愛媛大学・松山大学
    • Year and Date
      2014-09-13 – 2014-09-14

URL: 

Published: 2016-06-01  

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