2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞折紙-折紙の折畳み技術を利用した細胞の3次元組織の構築
Project/Area Number |
26286030
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
繁富 香織 北海道大学, 大学院保健科学研究院, その他 (90431816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 英治 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70436559)
尾上 弘晃 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (30548681)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MEMS / 折り紙工学 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、微細加工技術と折紙工学の折畳み技術を利用して、細胞の足場となるマイクロプレートを作製し、細胞を培養した後に折畳むことにより、効率的な細胞の3次元立体構造の形成・能動的な立体形状の変化が可能な手法を確立する。プレートに磁性体を埋め込み外部から磁場をかけるとこで、折畳む形状・タイミングを制御し、従来困難であった細胞培養の過程での能動的な細胞の形状変化を可能とする。 H26年度には、微細加工技術を用いて、磁性体入りのマイクロプレートを作製することができた。作製方法は、微細加工技術を用いてパリレン樹脂によるマイクロプレートを作製する方法を応用する。パリレンのプレートの間に磁性体として、パーマロイをパターンした。作製したマイクロプレート上のみに細胞を培養する方法としては、ガラス基板上に細胞の吸着を防ぐことができるポリマー(2-メタクリロイルオキシメチル・ホスホリルコリンポリマー: MPCポリマー)をコートした。繊維芽細胞がプレート上にのみ培養できることを確認することができた。外部磁場源として、ハンドタイプの永久磁石(ネオジム磁石)を利用し、プレートが外部磁場により動くことが確認できた。さらに、予備実験で、磁性体が入っていないマイクロプレートにDFAT(脂肪細胞より脱分化した間葉系幹細胞)を培養し、細胞の牽引力によりプレートが折畳み、骨に分化する分化誘導培地を加えると細胞が折り畳まれ立体的に培養されている部分のみ骨に分化する傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関の変更により、装置の設置などに時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度に作製されたマイクロアクティブ折紙デバイスを用いて、折畳み・展開技術により構築した3次元構造が組織形成における細胞の機能発現や分化への影響を解析し、細胞の立体的形状変化と細胞組織形成の相互作用の関係の解明を目指す。 そこで、本年度は、磁性体入りのマイクロプレートを用いて、(i) 細胞を折り畳むタイミング、折畳み形状を変え、(ii) 折畳み、展開の回数を変えることにより、細胞の分化への影響を調べる。さらに、(iii) 細胞を折り畳み立体的に培養することによる細胞の機能発現や分化の影響を観察し、細胞の分化を誘導しやすい形状、折畳み・展開のタイミングの最適条件を探り、高速に3次元立体組織を構築することが出来るかを検討する。
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Causes of Carryover |
昨年度に研究所の移動があり、研究をスタートするのに時間がかかってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
技術補佐員を1人雇い本年度研究を加速する予定である。
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Remarks |
「折り紙工学 世界が注目」日本経済新聞 朝刊 2015年1月25日、「折り紙が技術を変える」朝日新聞 朝刊 2014年10月13日、「数学,工学に応用される折紙」讀賣新聞 朝刊 2014年9月5日、「ORIGAMIで広がる未来」印刷新聞 朝刊 2014年9月18日
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