2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26287019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白井 朋之 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (70302932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇 隼人 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (00567597)
種村 秀紀 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40217162)
香取 眞理 中央大学, 理工学部, 教授 (60202016)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 行列式過程 / ランダム行列 / ギニブル点過程 / ダイソンモデル / 行列式型マルチンゲール / セルラーネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
複素平面内の運動群に関して不変な点過程で指数関数型の相関核の行列式構造をもつギニブル点過程について研究を行なった.理論面からは長田博文とギニブル点過程のパーム測度の二次形式の構造に着目することで特異性の証明の簡単化を行なった.また応用面からは三好直人とギニブル点過程を基地局とするセルラーネットワークについての被覆確率の漸近挙動に関する議論を行なった. 代表者白井朋之は2014年9月にUK-Japan Stochastic Analysis School, ワーリック大学においてギニブル点過程の絶対連続性と特異性に関する研究成果を発表した.また2015年3月に研究集会「Random Matrices, Determinantal Processes and Integral Probability」を開催して研究の進捗状況の発表とともに新しい研究の方向性を模索した. 分担者香取眞理は円周上の非衝突ブラウン運動について考察し,それを記述する確率微分方程式には楕円関数を用いたドリフト項が出てくることを示した.また特別な初期条件から出発する場合は行列式型マルチンゲール表現を与えて楕円関数を成分とする時空間相関核をもつ行列式点過程としての記述が可能であることを示した. 分担者種村秀紀は長距離相互作用をもつ無限粒子系をあらわす拡散過程に対応する準正則ディリクレ形式が,配置空間上の多項式をコアとして持つための十分条件を与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度設定した問題については概ねそれに沿った研究結果を得た.ダイソンモデルの拡張可能性,時空間相関の有効性に関する理論的な意味付けやギニブル点過程の性質についてはさらに理解が深まった. アルファ行列式の正値性の問題については大きなサイズの行列に対する計算量の問題を未だ解決できていないので,次年度以降に課題を持ちこす.
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ実施計画予定の通り,ギニブル点過程の詳しい研究とその次元に関する一般化,ベータアンサンブルの研究,またアルファ行列式については前年度から持ちこした数値計算のアルゴリズムの改良についても研究を進める予定である.
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Causes of Carryover |
研究会開催の会議室利用料および謝金が当初予定を下回ったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外研究者1名招聘のために27年度分の予算の一部とあわせて使用する.招聘時期は9月頃を予定している.
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