2014 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド粒子コードを用いた無衝突衝撃波における宇宙線陽子の生成過程の研究
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26287041
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅田 隆行 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (40432215)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 宇宙線 / プラズマ科学 / 超高層物理 / 高エネルギー天文学 / 計算機シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
陽子を粒子、電子を流体として扱うハイブリッド粒子シミュレーションコードの開発に着手した。従来の計算手法を用いたコードにおいて、格子幅をイオン慣性長よりも小さくしたときに、1次元コードにおいては、数値的熱擾乱から生じるポンデロモーティブ力によるプラズマの穴あきはそれほど大きくないが、2次元コードにおける穴あきは計算の安定性に非常に大きな影響を及ぼすことを改めて確認した。 本研究グループにおいてこれまで用いてきた全粒子コードの領域分割を行った。また富士通FCX400,FX10及び京コンピュータ上において性能測定を行い、今後の中-人具に向けての指標を得た。 全粒子コードを用いて大規模な大振幅ホイッスラーモード波の非線形発展に関するシミュレーションを行った。計算サイズをイオンスケールンすることにより、電子スケールの大振幅ホイッスラー波が非線形発展によってイオンスケールの波長へと伸びていく様子を明らかにした。またその過程において、双方向に伝搬するホイッスラー波と電子が共鳴し、電子が相対論的エネルギーまで加速することを示した。大振幅ホイッスラー波動の励起は衝撃波の遷移領域周辺において普遍的に見られる現象であり、双方向ホイッスラー波動が電子加速に寄与していることを示唆する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
従来の方法により2次元ハイブリッドコードの開発を行ったが、数字的熱擾乱から生じる格子幅スケールのプラズマの穴あきにより、コードが安定に動作しない。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイブリッドシミュレーション手法のアルゴリズムを見直し、より安定な解法を探す。また、申請書に書いた通りに電子慣性項を導入することにより、格子幅スケールの擾乱を物理的に減衰させてコードの安定化を図る。
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Causes of Carryover |
プログラム開発が思うように進まず、国内外の連携研究者や研究協力者との打ち合わせが十分に行えなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外の連携研究者や研究協力者との打ち合わせ及び、これまでに得ている成果の発表を行うため、旅費に使用する。また、並列プログラムの動作確認のため、九州大学のスーパーコンピュータの利用料に使用する。
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Research Products
(6 results)