2018 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical Study of High-Energy Universe through PeV Sources
Project/Area Number |
26287051
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井岡 邦仁 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80402759)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 宇宙物理 / 高エネルギー天体 / 宇宙線 / ニュートリノ / 理論天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 連星中性子星による初めての重力波イベントGW 170817についてのoff-axisモデルについての論文を書いた。連星中性子星の合体がショートガンマ線バーストの起源かどうかという問題は40年を超える長年の大問題である。GW 170817ではショートガンマ線バーストGW170817Aが観測されたが、通常のガンマ線バーストより何桁も暗く、これが本当に通常のショートガンマ線バーストかどうかは問題になっている。我々は、通常のショートガンマ線バーストのジェットを横から見ると観測されているように暗くなることを示し、GRB 170817Aをちょうどよく説明できることを示した。他にも、ジェットが飛散物質中を伝搬するときにできるコクーンからの放射が光赤外で見えているマクロノバ(キロノバ)の初期の放射に寄与する可能性や、残光への寄与などを、早い段階で発表することができた。 (2) GW 170817に付随するマクロノバ(キロノバ)のエネルギー源は通常放射性元素の崩壊が起源だと思われているが、中心エンジンからのエネルギー注入がエネルギー源の一つである可能性を検討した。その結果、GRB 130603Bと同様のエネルギー注入があれば説明が可能性であることが分かった。 (3) 連星中性子星の合体後、飛散物質中をジェットが伝搬するが、ジェットで加速された陽子が飛散物質やガンマ線と相互作用することによってパイオンを作り、その崩壊によって高エネルギーニュートリノが生まれる可能性がある。その放射を GW 170817 の場合に計算し、IceCube 等で観測可能かどうかを議論した。 (4) ジェットから放射されたガンマ線は、コクーン物質によって散乱される。その散乱放射の強度を見積もり、GW 170817 と GRB170817A を説明できる可能性を示した。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(14 results)