2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26287094
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中林 孝和 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30311195)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 外部電場効果 / FT-IR / ステップスキャン / 時間分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,測定系の立ち上げおよび性能評価を行った.外部電場効果の時間分解を行うための測定装置として,ステップ・スキャン型FT-IR分光光度計を用いた.検出器に光起電力型MCT検出器を採用した.マイクロ秒以下の時間分解能で時間分解測定が可能であることを確認した.また,電極ユニットを測定装置に取り付け,分光器内の環境を一定に保ったままでの電場効果の測定を可能にした.空気中の水蒸気や二酸化炭素の妨害が誤差要因となりうるために,環境変化のない条件での測定は微小信号の検出に必須である.試料溶液が循環可能な高電場印加真鍮セルを自作した.赤外光を透過する電極材料としてP型ドープシリコン板(抵抗率:10-20 Ω cm)を用い,シリコン板とリード線の電気的接触のためにIn-Ga合金を用いた.タンパク質の電場効果測定の予備実験として,アルブミンのキャスト乾燥膜に対する電場効果を測定した.現有の電圧発生器と組み合わせて,印加電場強度を約0.1 MV/cmとした.1650 cm-1付近に現れたアミドI(C=O伸縮振動)バンドに注目して,電場変調によるバンド形状の変化を検討している.ベースラインの変動が大きく,ベースラインの変動を除去することを目指して膜形成などの実験条件の最適化を行っている.また,様々なモデルペプチドの合成などを行い,振動スペクトルを用いた生体分子の評価について理論的・実験的検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電場印加セルおよび電場ジャンプ赤外吸収測定装置の最適化が年度内に終了しなかったが,研究体制および研究に必要な装置などは十分に整ったために,次年度以降の研究を十分に進めて行くことができると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
乾燥膜の状態での電場効果の測定を行い,電場ジャンプ赤外吸収測定装置の最適化を行う.次に溶液中のタンパク質に拡張する.細胞の電場効果の測定では,今まで行ってきた方法ではなく,より簡便な電極作成技術を検討する.
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