2016 Fiscal Year Annual Research Report
サイクロイド様サブ波長断面構造での高効率局在プラズモン発生と超高感度センサー応用
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26288114
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
福田 隆史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (50357894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 祐光 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (00300898)
石田 尚之 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80344133)
茨田 大輔 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80400711)
江本 顕雄 同志社大学, 理工学部, 准教授 (80509662)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイオセンシング / 局在プラズモン / サブ波長構造 / 機能表面制御 / 色度解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度は昨年度までに開発した各要素技術(研究課題:[1]~[5])を実用技術に近づけるべく、それぞれをさらに発展させると共に、技術統合と機能検証を進め、以下の成果を得た。 [1] 「最適サイクロイド様曲面構造の設計」:サブ波長曲面構造における電磁界波伝搬について厳密な解析解を導出することによって、所望の位置における電磁界を極めて高速に計算することが可能となり、高機能構造の探索がより効率的に進められるようになっているが、さらなる工夫(変数分離法の改良をはじめとする数式処理上のノウハウ)の上積みについて着想を得た。 [2] 「サイクロイド様曲面構造の創成」:ナノインプリントによるサブ波長曲面構造の作製に関する基本的なプロセスは既に確立されていたが、基板やモールド表面の化学的・物理的清浄化技術に関するノウハウの蓄積によって、各構造単位の精度と大面積での均一性に関する大幅な向上が達成された。 [3] 「マルチスポットチップの作製」、および、[4] 「種々のバイオマーカーに対する検出感度の評価」:PETフィルムを基板とする6スポット(2列×3行)チップの作製に成功し、各チップの特性バラツキの評価、ならびに、基板を湾曲させた時の光学特性の変化(安定性)などについて検討を行い、フレキシブルなマルチスポットチップの実用化に向けた成果が得られた。 [5] 「分光器を不要とする色度解析技術の確立」 チップを照明する光の指向性を低減させることにより、チップ-カメラ(光源)間距離に対する制限を大幅に低減できることは確認したが、スペクトルシフト量が入射角の関数として変化してしまうことから、チップとカメラ(光源)の角度・距離を固定化するための治具を作製し、対処することとした。これにより、一定の測光条件で取得されたスペクトルデータから色度を算出できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に基づいて各要素技術の技術統合と機能検証を進めた結果、最終目標である局在プラズモン型超高感度バイオチップの実現のための技術基盤を整備できた。さらに、新しいシミュレーションアルゴリズムや数学的処理方法の考案など波及効果の期待できる成果も得られており、基礎・応用の両面において研究と開発が着実に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定の研究期間はH28年度末までであったが、研究分担者の新たな着想により光伝搬解析手法にさらなる成果の上積み(計算時間短縮・精度向上・計算規模拡大など)が期待される状況となったため、1年間研究期間を延長し、その実証を図る。分光器によるスペクトル計測を不要化する局在プラズモン型超高感度センシングの実現に関しては企業との連携を一層強化して実用化を目指す。
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Causes of Carryover |
研究課題[1] 「最適サイクロイド様曲面構造の設計」に関して、研究分担者の新たな着想により光伝搬解析手法にさらなる成果の上積み(計算時間短縮・精度向上・計算規模拡大など)が期待される状況となったため、当該研究分担者の所属機関にて次年度分として繰越金を計上し、H29年度における研究と成果発信に充当する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計算機の処理能力向上のための消耗品購入、並びに、成果発表のための旅費や論文発表費用に充当を予定している。
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Research Products
(13 results)