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2015 Fiscal Year Annual Research Report

エピタキシャルフェライトヘテロ構造の創製とスピン機能デバイスへの応用

Research Project

Project/Area Number 26289086
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

中根 了昌  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50422332)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords結晶成長 / 電子材料 / スピントロニクス
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、Si基板上にフェライトをエピタキシャル成長をすることが基盤となる。前年度まで実施の、Al薄膜を蒸着したSiO2/Si基板を熱処理することでAl2O3バッファー層を作製して、この表面にフェライトを作製するという方針は同様であった。
前年度まで、その工程中での問題として、EB蒸着によるAl薄膜の膜厚が不安定であったことが挙げられる。これを解決するために、本年度はKセルによるAl蒸着を利用することとした。
本研究で目指すフェライト/Al2O3バッファー層/Si基板は、Al2O3とSi基板の界面にSiOx層が形成されないことが求められる。この評価には、X線光電子分光法が有効であるが、前年度まで利用していたコバルトフェライトでは、Co 3s軌道とSiOxの束縛エネルギーがオーバーラップしているため評価ができない。従って、ニッケルフェライトを用いることとした。Al2O3/Si基板上へのフェライトの成長にはパルスレーザー堆積(PLD)法をもちいた。はじめに、ニッケルフェライト焼結体をターゲットに用いて、様々な基板温度においてエピタキシャル成長をおこなった。しかしながら、最低基板温度の200℃において、酸素を導入しない条件でもSiOxが形成されることがわかった。これは、PLDの最中に焼結体ターゲットから放出される分子、イオン、ラジカル酸素のいずれかがSi基板を酸化したことを示している。したがって、ターゲットをNiFe2金属として、チャンバーに分子酸素を導入した状態でPLDを行うこととした。条件として、基板温度、酸素圧を主に変えながらPLDをおこなった。基板温度が低く、酸素圧が低い条件では、SiOxを形成せずにニッケルフェライトがエピタキシャル成長をすることがわかったが、結晶性がそれほど良好ではないことがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

装置の故障時期が幾らかあったため。

光電子分光法による評価方法の確立に若干時間が掛かったため。サンプルの結晶成長から光電子分光法による評価まで、それなりに時間を要するため、試行条件を変化させるのに、全体として時間が多くかかる為。ただし、一連の作業工程は確立したので、今後はもう少しペースアップができると考えている。

Strategy for Future Research Activity

SiOxのできない条件下でのニッケルフェライトの結晶性を高めるため、PLD条件について、様々の試行をしてみる。ただし、ある程度の時間にてこれを終了して、ニッケルフェライト、コバルトフェライトをもちいたトンネルダイオードを作製して、電気特性の評価をおこなう。これをもちいて、各フェライトによる仕事関数の変化などが観測できる良好な電気特性を達成する作製条件を見出す。結晶性と電気特性を両立する条件が無い場合には電気特性を優先して研究を進める。
次に、フェライト上に、異種材料(半導体、金属)などからなるヘテロ構造をエピタキシャルに作製できる条件を見出す。最終的にスピンフィルター効果を検証できる構造を作製して、その電気的特性を取得する。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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