2016 Fiscal Year Annual Research Report
ビッグデータのリアルタイム処理に向けた新機能材料を用いた集積回路システムの研究
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26289110
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
竹内 健 中央大学, 理工学部, 教授 (80463892)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノデバイス / メモリ / 新機能材料 / 3次元LSI / 電源回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンナノチューブ(CNT-RAM)、遷移金属酸化物(ReRAM)など、新機能材料を用いたナノストレージ・クラス・メモリを活用する集積回路・デバイスの研究を引き続き実施。カーボンナノチューブメモリのメモリセルアレイの信頼性評価の結果をもとに、高信頼化・高速化を両立する制御手法、Reset-Check-Reverse-Flag (RCRF)を提案した。RCRFによりエラーを半減することに成功した。RCRFとBCH ECCを組み合わせることで、パリティオーバーヘッドを35%、ECCデコード時間を16%削減することに成功した。以上の成果をまとめ、集積回路分野で世界トップの論文誌であるIEEE Journal of Solid-State Circuitsに2件の論文が掲載された。査読つき国際会議で4件の論文を発表、査読つき英文ジャーナルで論文を発表を2件発表し、国内の学会で6件の発表を行った。更に3次元LSIの回路設計で、電源回路において電荷を出力に転送するパスゲートとしてPチャネルトランジスタを有効に使うことで電力効率が大幅に向上できることが判明したため、追加の設計・評価を行った。この3次元LSIの電源回路の成果は、2017年度の研究の基盤となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
カーボンナノチューブメモリの信頼性の評価の結果、当初予想していなかったナノデバイスの特徴を抽出することに成功し、当初の予定にない新たな課題に取り組むことで新しい制御手法(RCRF)を提案、実証することに成功した。以上のように、研究を加速することで当初予定した内容も十分な成果を挙げており、全体としては当初の想定以上の成果を出している。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノメートルスケールのストレージ・クラス・メモリに最適な制御回路システムを構築する。特に3次元集積化が可能でかつ、IoT用途で必要とされる低電圧動作、低電力、高速な動作の実現を目標とする。低電圧動作ではトランジスタのしきい値電圧に起因する電力ロスが大きいことに注目し、この電力ロスを克服した回路システムを開発することで、従来の3次元回路システムよりも飛躍的に電力・性能が向上した3次元回路システムを構築する。
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Causes of Carryover |
(理由)3次元LSIの回路設計の過程で、当初の予想に反し、電源回路において電荷を出力に転送するパスゲートとしてPチャネルトランジスタを有効に使うことで電力効率が大幅に向上できることが判明した。 (使用計画)3次元LSIの電源回路の回路設計で、Pチャネルトランジスタを活用した電源回路の追加の設計、評価を実施する必要が生じた。
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