2017 Fiscal Year Annual Research Report
ビッグデータのリアルタイム処理に向けた新機能材料を用いた集積回路システムの研究
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26289110
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
竹内 健 中央大学, 理工学部, 教授 (80463892)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノデバイス / メモリ / 新機能材料 / 3次元LSI / 電源回路 / 低電圧動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンナノチューブ(CNT-RAM)、遷移金属酸化物(ReRAM)など、新機能材料を用いたナノストレージ・クラス・メモリを活用する集積回路・デバイスの研究を実施した。特にIoTエッジ端末、モバイル機器への搭載を想定し、低電圧動作を実現するために、電源回路において電荷を出力に転送するパスゲートとしてPチャネルトランジスタを有効に使った回路を採用する事で電力効率を大幅に向上させ、実際にLSIを試作して低電圧動作を確認した。この低電圧(1V)駆動の電源回路の実現は、3次元ナノ集積回路実現への重要な成果となった。研究成果は5件の論文として発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3次元LSIの電源回路の回路設計で、Pチャネルトランジスタを活用した電源回路を設計完了し、LSIの試作・評価によって動作を実証した。これは、当初の予定にない1.0Vという低電圧での3次元LSIの動作の実現である。以上のように、研究を加速することで当初予定した内容も十分な成果を挙げており、全体としては当初の想定以上の成果を出している。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノスケールのストレージ・クラス・メモリのばらつき、回路ノイズ、抵抗のゆらぎ、メモリの信頼性の劣化などに自動的かつ柔軟に対応することができる、回路システムを完成させる。ストレージ・クラス・メモリを駆動する回路システムを設計、試作、評価しリアルタイムなサービスを実現する高速なデータ処理を達成する。
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Causes of Carryover |
(理由)平成29年9月、3次元ナノ集積回路の設計中に、当初の予想に反して動作電圧(電源電圧)を0.6Vまでより一層低電圧化することが可能であることが判明した。 (使用計画)0.6Vという低電圧動作が可能な事は、携帯端末等で太陽電池による微小な光起電力効果によっても駆動が可能であり、本研究の目的である3次元ナノ集積回路システムの設計を行う上で重要な発見であり、追加の設計、評価を実施する必要が生まれた。
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