2015 Fiscal Year Annual Research Report
力学モデルに基づいた舗装の長期的パフォーマンス予測法の開発とその検証
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26289138
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
西澤 辰男 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00143876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 厳 国立研究開発法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (00355794)
高橋 修 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60236263)
木幡 行宏 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90215301)
竹内 康 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (90271329)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 舗装 / パフォーマンス / 試験舗装 / 温度応力 / 舗装体内温度予測 / レジリエント試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
舗装の設計,維持管理において,舗装の長期的なパフォーマンス予測に基づいた合理的,効率的な方法が求められている.本研究計画の目的は,長期的な舗装パフォーマンスを予測するための物理的あるいは力学的な汎用モデルを確立することである.
本年度実施した研究活動の成果について述べる. 1.コンクリート舗装の温度応力解析.本研究では熱伝導解析によってコンクリート版内の温度分布を予測し,その分布を3次元有限要素法に入力することによって直接温度応力を計算する方法を開発した.熱伝導解析には,松井らによって提案されているコントロールボリューム法(CV法)を採用し,コンクリート版表面での境界条件をAMEDAS気象データから与えることとした.CV法の妥当性を確認するために,室蘭,仙台,つくば,名古屋,石川,広島,鹿児島,那覇でのコンクリートモデル供試体での温度実測結果と,CV法によって予測された温度を比較した.AMEDAS気象データを用いて1時間ごとに計算を行った.上下面の温度変化を季節ごとにを直接比較した結果,温度が高い時間帯での温度変化を計算値が良く表現していることが分かった. 2.舗装パフォーマンスデータの収集.試験舗装として,アスファルト3区間を設けた.各層境界面に反射材を敷いた.施工後,電磁波レーダにて各層間の2次元プロファイルを計測し,これを走行載荷試験を開始する前の初期変形とした 3.アスファルト混合物の材料モデル.円形供試体によるレジリエント試験を3DFEMによってモデル化した.レジリエント試験における供試体の変位の変化を表現できることに成功した.これによって,レオロジーパラメータの同定が可能になった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたコンクリート舗装の温度分布予測,3DFEMによる温度応力解析法については,順調に解析が進み,日本各地のコンクリート版内温度の予測に成功している.
舗装パフォーマンス観測については予定よりも遅れている.各層間の境界面を非破壊で観測する具体的な方法を模索したため,土木研究所の円形試験路での試験舗装の建設が遅れ,試験舗装の施工が年度末になってしまった.そのため,平成27年度において予定していた走行載荷試験が実施できなかった.したがって,試験舗装で用いた各層の材料の室内試験,交通履歴による舗装のパフォーマンス計測,電磁波レーダによる境界面の変形観測などのデータを得られていない.
アスファルト混合物の材料モデル化についてはレジリエントモジュラス試験を3DFEMによって解析する方法を開発した.これから具体的なパラメータ値の同定を行える状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,遅れ気味な舗装パフォーマンス観測と,全体モデルの開発に全力を投入する. 土木研究所における走行載荷試験は6月から実施の予定であり,2か月ごとにパフォーマンスを観測する.その時に各層境界面の電磁波レーダ調査も実施する. 走行試験と並行して,アスファルト混合物のレジリエントモジュラス試験の解析を行い,レオロジーパラメータを同定する.路盤,路床材料の塑性パラメータ同定は,試験舗装に用いた材料を使って,それぞれ東京農業大学および室蘭工業大学で実施する. 全体の舗装パフォーマンスモデルについては,各材料のパラメータ値が得られた時点で解析を行えるように準備を進める. このように試験舗装におけるパフォーマンス観測と,材料試験および解析を同時並行で進めていく.
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Causes of Carryover |
土木研究所の円形試験路における試験舗装の建設が遅れたため,舗装パフォーマンスの計測および各層の境界面の変形の電磁波レーダによる観測が次年度にずれ込んだため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
建設された試験舗装において舗装パフォーマンスの計測および各層の境界面の変形の電磁波レーダによる観測を実施する.
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