2014 Fiscal Year Annual Research Report
MMS計測点群を直接利用した超写実VR環境の生成と感性情報に基づく走行路面評価
Project/Area Number |
26289167
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
川村 彰 北見工業大学, 工学部, 教授 (30149893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 貴雄 北見工業大学, 工学部, 教授 (00233974)
鈴木 聡一郎 北見工業大学, 工学部, 教授 (30250541)
亀山 修一 北海道科学大学, 工学部, 教授 (30295894)
萩原 亨 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60172839)
山崎 元也 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (70459709)
富山 和也 北見工業大学, 工学部, 助教 (70589580)
金井 理 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (90194878)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 交通工学・国土計画 / 路面特性 / 生体計測 / ドライビングシミュレータ / 気象環境 / メンタルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、安全安心かつ快適な道路交通の実現のために、道路の超写実空間を用いたドライビングシミュレータ(以下、DS)走行実験により、ドライバの生理的応答と感性の相互作用を明らかにし、ヒューマンファクタに基づく、路面評価方法の確立を目指している。
当該年度に実施した研究テーマは以下の2項目である。 1. 3Dレーザースキャナーによる点群データから、走行路面を効率的に抽出する技術の開発:3Dレーザースキャナーを導入し、市道及び高速道路において道路走行空間の調査・測定を実施した。また、当該年度に予定していた大規模3次元測定データから、局在する路面変状箇所(橋梁ジョイント部、わだち掘れ部分など)の抽出を実施した結果、次年度以降予定されているDS走行実験へ適用可能なことを確認した。 2. 走行時の安心感など感性に影響する実気象及び走行路面データのDS走行シナリオへの反映:ドライバの感性評価に用いる走行シナリオとして、気象条件を考慮した実験環境の検討を行った。当該年度では、冬期走行に焦点を絞り、実撮影画像に基づく視界、降雪状況をDSに反映させ、ドライバのメンタルストレスと視認性との相関に関する基礎的実験を実施した結果、走行シナリオの有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の達成目標は、1)3Dレーザースキャナーによる点群データから、走行路面を効率的に抽出する技術の開発及び2)走行時の安心感など感性に影響する実気象及び走行路面データのDS走行シナリオへの反映である。
1)では3Dレーザースキャナーで収集した大規模3次元測定データから、画像処理により路面の局在損傷箇所(橋梁ジョイント部、わだち掘れ部分など)の抽出が可能となった。 2)では、冬期における高速道路において、視界不良時を含めた実撮影画像を実施し、その結果をDS視界画面に反映させ、ドライバのメンタルストレスと視認性との相関に関する基礎的実験を実施した結果、走行シナリオの有効性を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を踏まえ、今年度は主に「実路の走行環境を忠実に反映したDS実験の実施」を行う。具体的内容は、下記3項目である。
1)DS走行による被験者試験の実施:前年度に収集した道路空間データに加え、さらに多種・多様なデータを3Dレーザースキャナーにより収集する。また、収集データのDS走行路面への反映を行い、気象環境を考慮した走行シナリオに基づくDS走行試験を行う。 2)路面の感性評価と評価構造の分析:DS走行実験による被験者の感性評価を実施し、ドライバの主観・直感を表現した感性ワードを用いて、道路利用者の感性に基づく路面の評価構造を明らかにする。 3)路面走行時の被験者の生理測定:2)における感性評価と同時に、被験者の乗車感覚をメンタルストレスや快適性と関係があるとされる心拍数、自律神経指標など生理的データ測定により定量化を試みる。 上記内容は、最終的には、本研究の重要課題である「感性情報に基づく路面評価モデルの開発」と「生理的指標に基づく感性指標の導出」につながるものである。
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Causes of Carryover |
当該年度においては、実路における道路走行空間データ収集・解析のため旅費及び人件費を計上していたが、路面データが主に路面変状個所に集中したこと、また想定した気象条件を満足する期間が必ずしも多くなかったため、多種多様な道路規格(高速道路、一般道路)・走行気象条件(雨天、降雪、霧など)を含むデータ収集までには至っていない。そのため測定日数が減少し、旅費及び人件費に関して次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新システムの導入により、研究目的の一つとしている写実的VR環境の精度向上や効率的測定が可能になったことから、次年度使用額を、平成27年度以降において当該年度に収集できなかった道路・気象条件におけるデータの収集・解析のための旅費・人件費にあてる計画である。また、このことによる全体の研究計画に大きな影響は無い。
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Research Products
(4 results)