2015 Fiscal Year Annual Research Report
観葉植物のグリーンアメニティ効果の実証と室内環境デザインへの応用
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26289202
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松本 博 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90125659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 幸宏 芝浦工業大学, システム工学部, 准教授 (10398935)
源城 かほり 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90315648)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 観葉植物 / グリーンアメニティ / 室内環境デザイン / プロダクティビティ / 生理・心理反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,観葉植物のもつグリーンアメニティ効果に着目し,植物の熱・湿気環境調整効果及び化学物質除去効果を定量的に評価し,模擬オフィスと実オフィスを対象にした実証実験により観葉植物がオフィスワーカーの心理・生理反応及びプロダクティビティに及ぼす影響定量的に解明し,その経済性評価法・室内環境デザインへの応用手法を開発すること目的とする。平成27年度の研究成果は以下の通りである。 (1) 模擬オフィスを用いた被験者実験:平成26年度に実施した実験の結果を踏まえ,平成27年度も模擬オフィスにおける観葉植物が執務者の心理・生理反応及びプロダクティビティに及ぼす影響に関する被験者実験を行い,植物の種類,緑視率,レイアウトなどの違いが被験者に与える影響を明らかにした。 (2) 実オフィスの執務者を対象にしたグリーンアメニティ効果の実証実験:京都市内のオフィスを対象に植物がオフィスワーカーの心理・生理反応及びプロダクティビティに与える影響の予備調査を行い,基礎的なデータを収集・分析した。その結果,植物の種類がオフィスクワーカーのストレスに有意に影響することを確認した。 (3) グリーンアメニティ効果の経済性評価モデルの開発:オフィスにおける観葉植物の経済性評価モデルを提案し,オフィス内に設置する小型植物栽培ユニットの経済性効果の評価を試みた。 (4) グリーンアメニティ指向型オフィスの提案:観葉植物の室内環境デザイン手法を提案し,模擬オフィスを対象にした被験者実験によりその評価を行った。その結果,植物の量(緑視率,鉢数),植物までの距離が被験者の心理・生理反応及びプロダクティビティに大きく影響することを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画として設定した(1)模擬オフィスを用いた被験者実験,(2)実オフィスの執務者を対象にしたグリーンアメニティ効果の実証実験,(3)グリーンアメニティ効果の経済性評価法の開発とその実施,(4)グリーンアメニティ指向型オフィスの提案のサブタスクはほぼ計画通り実施し,その成果を著書1冊(共著),国際ジャーナル論文に3編,国内外の学会で3編の論文を発表したことにより,「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 実オフィスを用いた被験者実験に関する課題 京都市内にあるオフィスを対象に観葉植物など6種類の異なる植物を設置し,業務の支障にならないように心理アンケート,アミラーゼ,心拍,フリッカー値,脳波などの生理量測定,タイピングなどの作業効率の測定を行い,それらのデータ分析により室内植物がオフィスワーカーの心理・生理反応及びプロダクティビティに及ぼす影響を分析する。 (2) 平成27年度に提案した経済性評価モデルを用いたシミュレーションにより様々な条件(環境条件,観葉植物の種類・量・配置など)における観葉植物の経済性評価を行う。 (3) 観葉植物を用いたオフィスの室内環境デザイン手法・マニュアルのためのデータベースを構築し,ケーススタディを行う。
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Research Products
(7 results)