2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26290066
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健人 東海大学, 医学部, 准教授 (50235363)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 遺伝子改変 / CRISPR / 移植片拒絶 / MHC / 主要組織適合抗原 / HLA / 多分化能 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. HLA class I全欠損iPS細胞の作製(木村・大塚・佐藤)-「すでに樹立したiPS細胞用い、Tap1もしくはβ2mを 標的としたsgRNAおよびCas9 mRNAをelectroporationにより導入する。Tap1もしくはβ2mの欠失によりHLA clas sI 発現を失ったiPS細胞を分離、増殖させてHLA class I 欠失iPS細胞を樹立する」という計画であったが、ヒトiPS細胞にCRISPR/Cas9システムを適用してβ2-microglobulin (β2m)遺伝子のExon1にゲノム編集を行い、β2m欠失iPS細胞の樹立に成功した。また、iPS細胞であるというためには、3胚葉への分化能力の保持が重要となるが、得られたβ2m欠失iPS細胞クローンを免疫不全マウスの腎皮膜下に移植し、神経細胞、骨格筋細胞、消化管上皮細胞など3胚葉すべてに分化する多分可能を保持している事を確認した。 2. iPS細胞及びこれに由来する分化細胞のsyngeneic NK細胞感受性の評価(佐藤・木村)をin vitro, in vivo系で行う予定であったが、NOGマウスの準備等など、その準備段階にとどまった。 3 . 高汎用性(HLA class I 部分欠損)iPS細胞の作製と評価(木村・佐藤)-(1)と同様にして、iPS細胞よりCRIS PR/Cas9システムにより、HLA-A、-B、-DRそれぞれを欠失した細胞を作製、分離し、HLA単座を欠失したiPS細胞 の樹立に着手する予定としていたが、計画立案ができた。 4. 改良型Cas9を利用して標的配列をDNA両鎖に設定しoff targetを少なくする手法に着手する、としていたが、1で確立したβ2m欠失iPS細胞クローンのゲノム塩基配列を調べ、4塩基ミスマッチまでを許す条件では問題となるような変異(off target効果)が起こっていない事を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NK活性の実験まではいたらなかったが、Off targetのない分化能力の高いiPS細胞を樹立出来たことは、所期の目的を十分に果たしたと言えるから。
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Strategy for Future Research Activity |
1.HLA-A, B, DRなどの移植片拒絶に関すると思われる他の遺伝子に対して、CRISPR技術を駆使して遺伝子改変(多くは欠失)を引き続きiPS細胞に導入する。(佐藤、木村) 2。HLA-A, B, DRホモ型の臍帯血を取得し、これらの他のMHC遺伝子型を同定する(木村) 3。この臍帯血からiPS細胞を樹立するための細胞を増殖させる(佐藤) 4。CRISPR技術によるHLA遺伝子発現欠失を引き続き試み、Off targetの可能性も塩基配列レベルで追究する(佐藤、木村) 5。分化したiPS細胞がNK標的細胞となり得るかどうかについてのin vitro およびin vivo実験系での検定(佐藤、木村)
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Causes of Carryover |
廉価で消耗品を提供する業者があったため、2014年度の支出が減じたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度の試薬購入等に充当し、十分な成果をあげたい。
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