2014 Fiscal Year Annual Research Report
コマチゴケとナンジャモンジャゴケのゲノム情報を基盤とした総合的研究
Project/Area Number |
26291081
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋村 正樹 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00432708)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 智明 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (50390688)
榊原 恵子 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教 (90590000)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 進化 / 植物 / 比較ゲノム / 発生進化 / コケ植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナンジャモンジャゴケの根茎の発生,発達過程を走査型電子顕微鏡,透過型電子顕微鏡,FIB-SEMを用いて観察し,粘液毛頂端部の粘液分泌孔が植物体内部への菌類の侵入経路となっていることを確認し,侵入した菌糸が粘液毛内部で維管束植物の菌根で知られるハルティヒネット様の構造を形成することを明らかにした.他の系統的に基部に位置するコケ植物とともに,ナンジャモンジャゴケの胞子の形態について観察し,基部コケ植物の胞子の特徴について議論した原著論文としてまとめた. コマチゴケに関しては,胞子体から新たに無菌培養株を確立し,生殖器官を誘導することに成功し,雌雄それぞれの無菌培養株を確立した.RNA-seqのために,コマチゴケ原糸体,ナンジャモンジャゴケ根茎,ナンジャモンジャゴケ茎葉体に関して, 異なるタグをつけてそれぞれの種ごとにまぜてcDNAライブラリーを作成した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナンジャモンジャゴケでは共生菌と考えられる菌類を除去した状況下での永続的な培養に成功しておらず,ゲノムドラフト解析は先送りにして,RNA-seqのみ先行して解析を行った. コマチゴケに関しては,研究分担者の勤務先の移動等もあり,研究体制が整わず,形質転換系の確立には至っていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
ナンジャモンジャゴケ無菌培養のための培地条件の検討を続けるが,ゲノム解析のためのナンジャモンジャゴケの無菌培養株の確立は困難な可能性がある.菌類の分離培養を並行して行い,ナンジャモンジャゴケの無菌株と共培養したものをゲノム解析に用いることも検討する.それ以外は当初の計画に沿った研究の遂行を目指す.
|
Causes of Carryover |
ゲノム解析のためのナンジャモンジャゴケの無菌培養株の作成が遅れ,ゲノムドラフト解析を次年度に先送りしたため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
PacBioRSを用いてゲノムサイズの約20倍の配列データを取得する.RNA-seq解析で得られたリードをゲノム配列にマッピングし,ゲノム構造を明らかにする.
|
Research Products
(2 results)