2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26292061
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
河野 強 鳥取大学, 農学部, 教授 (50270567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾添 嘉久 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80112118)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 休眠 / 線虫 / 生理活性物質 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
【大腸菌が産生する休眠打破物質の単離・構造決定】最少培地M9で大腸菌BL21株を培養し、濾液(10リッ トル)をDiaionHP-20に通過させ、活性炭に吸着後蒸留水で洗浄し、メタノールで溶出した。陽イオン交換樹脂 ・陰イオン交換樹脂を通過させ、ゲル濾過による精製を行った後、HILIC系HPLCを用いて最終精製を行った。本物質は糖類であることが判明したが、夾雑物の混入により構造決定までには至っていない。(河野・一柳) 【srh-11遺伝子による休眠打破制御の確認】開始メチオニン上流4kbならびにストップコドン下流1kbを含むsrh-11遺伝子を増幅してクローニングベクターに挿入し、レスキュープラスミドを構築した。これをsrh-11遺伝子破壊線虫tm2102株に導入したところ、休眠打破率低下が回復した。このことから、srh-11遺伝子の休眠打破への関与を確認した。(河野) 【SRH-11に共役するGαの特定】分子遺伝学的手法を用いた。SRH-11が発現する神経細胞ASJでの発現が報告されている5種の遺伝子の破壊線虫の休眠打破率を測定し、休眠打破率の変動を示す3種に絞り込んだ。srh-11破壊線虫との二重破壊線虫を作出し、それらの休眠打破率を測定することにより、GPA-9がSRH-11と共役する可能性を示した。(河野・藪田) 【受容体候補SRH-11の哺乳動物細胞での発現系構築】効率的な発現を指向し、コドン使用頻度を勘案した人工遺伝子を用いた。発現ベクターpcDNA-3/FLAGに導入後、ヒト胎児由 来腎臓細胞HEK293T株に形質導入し、細胞膜上での発現を抗FALG抗体を用いて確認した。以上により、発現系の構築に成功したと結論づけた。(尾添)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに研究が進捗した。 ・休眠打破物質の構造決定には至っていないが、平成27年度には構造決定を終えることができると期待している。 ・遺伝子破壊線虫に対するレスキュー実験によりsrh-11遺伝子の休眠打破への関与を確認したことに加え、計画を前倒してSRH-11に共役するGαの分子遺伝学的特定に成功した。これにより、平成27年度に計画している生化学的解析を滞りなく遂行できると考えている。 ・SRH-11発現系の構築に成功したことから、平成27年度の計画が滞りなく遂行できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度ではほぼ計画通りに研究を推進することができた。 平成27年度以降、休眠打破を制御するSRH-11のリガンド(ウラシル等)の特定、細胞内情報伝達系の解明ならびに下流で休眠打破を誘導する分子種の特定と制御機構について解析を行う予定である。 SRH-11は化学受容細胞ASJで機能すると推定されるが、休眠制御に関わる主要な神経細胞にはASKならびにASIがある。これらの細胞で産生・分泌されるであろう休眠(打破)制御分子の合成・分泌制御をSRH-11を介するシグナルがどのように関わるのかを解析する予定にしている。
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Causes of Carryover |
次年度(平成27年度)の経費は直接経費2,400,000円とやや少額となるため、本年度(平成26年度)の支出を極力抑え次年度に運用できるよう、最大限の努力を行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の残金51,935円を平成27年度の消耗品購入に充てる。
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[Presentation] Aging in Space2014
Author(s)
Honda Y, Higashibata A, Matsunaga Y, Yonezawa Y, Kawano T, Higashitani A, Kuriyama K, Shimazu T, Tanaka M, Szewczyk NJ, Ishioka N, Honda S.
Organizer
The 6th Asia-Pacific C. elegnas Meeting
Place of Presentation
奈良市 奈良県文化会館
Year and Date
2014-06-15 – 2014-06-19
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