2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Studies on Historical Backgrounds of Local Economic Promotion policies in Japan, Chaina, and Korea
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26292123
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
玉 真之介 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (20183072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 淳史 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00402826)
戸石 七生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (20622765)
永田 明 国際連合大学サステイナビリティ高等研究所, サステイナビリティ高等研究, 研究員 (30638284)
松本 武祝 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40202329)
橋本 直史 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 講師 (50649473)
庄司 俊作 同志社大学, 人文科学研究所, 教授 (70130309)
野本 京子 (沼田京子) 東京外国語大学, その他部局, 名誉教授 (90208281)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 農村振興 / 歴史的系譜 / 日中韓比較 / 世界農業遺産 / グローバル経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
農村振興策の系譜に関する日中韓比較というテーマに対して、本年度は研究代表者を中心に、これまでの調査研究に基づく研究成果のとりまとめに取り組んだ。本研究では、日中韓の調査研究を通じて農村振興策の基盤となる農林業の基本的特徴が地域における生物資源の利活用という点をこれまで以上に関心を払う必要があることを明確にした。 この点は、これまでの農林水産業の振興がいわゆる農林水産業の生物資源利活用という性格から離れた「工業化」「化学化」に重点が置かれ、結果的に生態系の破壊につながってきたことへの深い反省を要請するものである。歴史的をさかのぼれば、農林水産業は過剰開発による生態系の破壊と農山村の荒廃を繰り返す過程で、水利制度や入会慣行のような生物資源の利活用のルールを定め、生態系の保全と持続性維持のシステムの構築してきた。 こうした歴史によって農林業は、人の関与により恒常性が保たれるいわゆる二次的自然(里山・里海)の形成にかかわり、洪水や土砂崩れなどの自然災害を防止するための環境を作ってきた。その意味でも、農村振興策の歴史的系譜から学ぶべきことは、地域の生態系を保全し、持続性を維持する農林業の役割をより明確にして、社会に広くアピールし、農林業の担い手のみではなく地域の様々なステークホルダーと共に生態系の保全につながる農村振興策を構築していくことである。 本研究でもっとも力を入れて調査研究した世界農業遺産は、まさに生態系の保全・持続性維持をベースとした歴史的システムの評価に基本を置くものであり、農林業の生産条件としては条件不利な地域における農村振興策のモデルとして、きわめて重要な取組であることが本研究を通じて明確にすることができた。この世界農業遺産の取組から得られる教訓をより広くの農山村に適用して、農山村の振興策の立案に生かしていくことが次の研究の課題である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)