2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規ゲノム改変技術の応用による不完全変態昆虫における形態形成のゲノム基盤解明
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26292176
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三戸 太郎 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (80322254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友成 さゆり 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 技術専門職員 (40448345)
渡辺 崇人 徳島大学, 農工商連携センター, 特任助教 (30709481)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 昆虫 / 形態形成 / ゲノム編集 / 胚発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
コオロギの系における、ゲノム編集を用いた遺伝子のin vivo発現解析と機能解析の技術基盤の確立を目指した。Hox遺伝子であるUbxおよびabdominal-A遺伝子について、GFP遺伝子発現カセットを含むノックインベクターを構築し、CRISPR/Casシステムを用いた非相同末端結合によるノックインを試みた。その結果、標的部位へのGFP遺伝子の導入がみとめられ、標的遺伝子と同様のパターンでの発現が検出された。生殖系列への伝搬効率は25-50%程度であった。本手法により、GFP遺伝子を含むベクターを標的遺伝子エキソンに挿入することでGFP蛍光を指標としてノックアウト個体を簡便に選別することができるようになった。また、エンハンサートラップによる発現解析も可能となった。その他の胚発生関連遺伝子についても、同様の手法による解析を進めている。このように、次年度以降の様々な形態形成遺伝子の解析に役立つ重要な成果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進展の鍵となる遺伝子ノックイン技術をコオロギで確立することができた。計画段階で想定していた相同組換えによるノックインとは異なるものの、効率は非常に高く、極めて有用な技術と考えられる。本技術を基盤としてin vivo発現解析等の実験が今後大きく促進されると期待できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度開発したノックイン技術を活用し、形態形成関連遺伝子のin vivo発現解析を進め、胚発生における空間的発現パターンの変動を詳細に明らかにする。さらに、蛍光タンパク質遺伝子の発現系統を用いたシス配列改変実験を進める。シス改変実験にはより精度の高いノックイン技術が必要となる可能性があるので、ホモロジー依存型のノックイン技術の開発も並行して試みる。 一方で、現有コオロギゲノム配列の精度をあげるために、ギャップクローズ解析を行う。
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Causes of Carryover |
ゲノム編集実験に関わる研究補助員1名を雇用する計画であったが、見合わせたため。作製すべきノックイン系統などの数が大幅に増えることが予想される次年度に雇用するのが適切と判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進捗状況に応じて、次世代シーケンス解析や抗体作製などに使用する。また、ゲノム編集実験に関わる研究補助員1名を雇用する。
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Research Products
(8 results)