2015 Fiscal Year Annual Research Report
淡蒼球アストロサイトの形態機能連関ーパーキンソン病の新しい治療法開発にむけてー
Project/Area Number |
26293039
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 洋明 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40453162)
森田 晶子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70647049)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アデノ随伴ウイルス / 光遺伝学 / 大脳基底核 / 淡蒼球 / 黒質網様部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は淡蒼球に多く存在するOlig2アストロサイトに光遺伝学的手法を用いる目的で、アデノ随伴ウイルスベクターを用いてチャネロドプシン、ハロロドプシン、アーキロドプシンを発現させることをまず行った。実際に光感受性チャネル蛋白の実験を行う前に、ウイルスベクターの導入効率、及び蛋白の発現効率を検定する目的でOlig2-CreERマウスの淡蒼球にFlox-StopーEGFPコンストラクトを有するウイルスベクターを微量注入した。この検定でEGFP陽性細胞の数が予想よりもかなり少なく、且つEGFP自体の蛍光量も少ないという問題点が判明した。原因として1)ウイルスの導入効率が悪い、2)Creリコンビナーゼの組換え効率が悪い、3)ウイルスベクターからの蛋白の発現効率が低い等の原因が考えられた。この問題点を明らかにする目的で、同様なアストロサイトにCreリコンビナーゼを発現するGFAP-Creマウスの淡蒼球にEGFP発現ウイルスベクターを導入した。こちらではEGFP陽性細胞数、及び単位細胞あたりの蛍光量ともに充分なものが観察された。この結果はOlig2-CreERマウスのCreリコンビナーゼの活性が何らかの原因で低い、タモキシフェンによる活性誘導効率が低いということなどが考えられた。ここで実験の方針を変更することを決断し、GFAP-Creマウスを用いたアストロサイトへの光遺伝学的手法の導入を行うことにした。大脳基底核回路の一部である淡蒼球に加えて、黒質網様部もGFAPアストロサイトが豊富に認められる部位であるので、淡蒼球と黒質網様部にチャネロドプシン、ハロロドプシンを発現させるマウスの作成を開始し、現在実験中である。また同部位におけるアストロサイトを欠損させる目的でジフテリア毒素を発現するウイルスベクターを導入する実験も併行して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初標的としていた運動刺激により形態を変化させるOlig2陽性アストロサイトにアデノ随伴ウイルスベクターを用いて遺伝子導入することが困難であることが判明し、これを受けて標的とする細胞をGFAP陽性アストロサイトに変更する必要が発生したため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目的、計画を変更する必要が発生したので、今後はGFAPアストロサイトへの遺伝子導入実験を精力的に行い、計画変更に伴う遅れを取り戻す予定である。GFAPアストロサイトへの遺伝子導入は安定して出来ているので、アストロサイトを人為的に欠損させる実験も併せて行うことで大脳基底核回路におけるアストロサイトの機能的意義を解明できるものと考える。
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Causes of Carryover |
本年度に予定していた光遺伝学実験系が、計画変更に伴い次年度に予定が先送りになった関係で当該実験系に用いる経費も繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
光遺伝学実験系は本年度予定どおりに施行できるので、当該経費を使用する予定である。
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Research Products
(9 results)