2015 Fiscal Year Annual Research Report
SLC15A4による自己免疫疾患の新規制御機構の解明
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26293090
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
反町 典子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (30217468)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アミノ酸トランスポーター / リソソーム / マスト細胞 / 炎症 / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
プロトン共役型アミノ酸トランスポーターSLC15A4は、免疫細胞に高発現し、リソソーム内の物質環境を制御することによって、リソソームを起点とした炎症シグナルの制御に重要な役割を果たしている。これまでに私たちは、SLC15A4が樹状細胞およびB細胞においてTLRやmTORを介したシグナルを制御することによって炎症性サイトカインおよび自己抗体の産生を媒介することを報告してきた。本年度は、リソソーム関連オルガネラとしての分泌顆粒を発達させたマスト細胞に着目し、SLC15A4によるマスト細胞の機能制御機構について解析を進め、以下を明らかにした。①SLC15A4欠損マウスにおいてマスト細胞の分泌顆粒形成に以上が認められ、②種々の刺激によるマスト細胞の応答に異常が認められた。SLC15A4欠損マスト細胞においては、抗原刺激によるヒスタミン分泌およびIL-33刺激によるサイトカイン産生の異常が認められ、③そのメカニズムの1つとして、マスト細胞のmTOR経路の異常が明らかとなった。現在さらにメカニズムの詳細について解析を進めている。④さらに、SLC15A4欠損によるマスト細胞の異常は、ハプテン誘導性アナフィラキシーおよびIL-33依存性喘息モデルの病態に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。またSLC15A4と相同性が高く、免疫細胞に高発現するアミノ酸トランスポーターSLC15A3のノックアウトマウスの作出に成功し、解析に着手したほか、SLC15A4に対するモノクローナル抗体の樹立に成功し、当該タンパク質の性状解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画されていた研究計画は順調に遂行され、概要に記載された研究成果が得られ、論文化が進んでいる。さらに計画されていたSLC15A3ノックアウトマウスの作出、およびSLC15A4に対するモノクローナル抗体の樹立も達成され、研究は順調に進展したと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、今年度は上記成果を論文化すること、さらにライソゾームの恒常性と適応という視点から、SLC15A4欠損によるライソゾームおよびライソゾーム関連オルガネラの制御機構の破綻が、抗原提示およびオートファジーの制御に果たす役割について検討を進める。また、SLC15A3ノックアウトマウスが樹立でき、その表現型解析とメカニズムの解析が進んでいることから、研究成果の論文化を目指す。
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Causes of Carryover |
経費節減に努め、相見積もりの取得等で物品購入費用の節約に努めたことに加え、投稿中の論文が受理に至らず、論文投稿費用および印刷費用の支出が次年度へと繰り越されることになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在投稿中および投稿準備中の論文投稿費用として使用する。さらに新たに作出したノックアウトマウスにおいて得られつつある成果が想定以上に波及することが明らかになりつつあり、新たな実験系を樹立する必要性が生じている。そのため、従来の消耗品に加え、新規に調達する消耗品が増加しているため、それらの購入に充当する。
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Research Products
(6 results)