2014 Fiscal Year Annual Research Report
疲弊T細胞再活性化機構を基盤とした新規BCGワクチンの開発
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26293098
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細菌学 / BCG / IL-21 / IL-7 / ワクチン / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)マイコバクテリア感染防御機構のIL-21の役割 卵白アルブミン(OVA)発現Mycobacterium bovis Bacillus Calmette-Guerin(BCG-OVA)をインターロイキン21レセプター(IL-21R)ノックアウト(KO)マウスの気道内に感染させて、肺に存在する抗原特異的CD8T細胞をフローサイトメターにて経時的に観察したところ、感染21日目の肺で抗原特異的IFN-γ産生CD8T細胞の数がIL-21RKOマウスでwild type(WT)マウスに比べて有意に減少していた。IL-7Rα(CD127)、CD122(βcR)、CD62、CCR6で染色したところ、エフェクター/メモリータイプが選択的に減少していることがわかった。しかしながら疲弊exhausted T細胞はIL21RKOマウスとWTマウスに差を認められなかった。 2) マイコバクテリア気道感染防御機構のIL-7の役割 IL-7RαKO マウスにTCRγ鎖トランスジェニックマウスとかけあわせて分化してきたγδ型T細胞の機能を末梢組織で検討したところ、肺でIFN-γ産生γδT細胞が検出できたが、IL-17A産生γδ型T細胞は検出できなかった。Rosa26-loxP-stop-loxP-ICN1-IRES-GFP x MX1-CreマウスでNotchシグナルを末梢で強制的にIL-7R誘導したマウスを作成した。 3) IL-7およびIL-21/Ag85B融合蛋白質産生レコンビナントBCG の作成 IL-7、IL-21/Ag85B融合蛋白質産生レコンビナントBCG(rBCG-IL-7、rBCG-IL-21)を作成してウェスタン法でAg85B融合IL-7 およびIL-21蛋白質産生を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)マイコバクテリア感染防御機構のIL-21の役割 BCG感染早期でのIL-21のCD8T細胞の活性化の役割をIL-21RKOマウスで明らかにできた.当初想定した疲弊exhausted T細胞の産生抑制におけるIL-21の役割はBCG感染早期で明らかではなかった. 2)マイコバクテリア気道感染防御機構のIL-7の役割 IL-7RαKO マウスではT細胞の分化ができないのでTCRγ鎖トランスジェニックマウスとかけあわせてγδ型T細胞を分化させたマウスを作製できた.Rosa26-loxP-stop-loxP-ICN1-IRES-GFP x MX1-CreマウスでNotchシグナルを末梢で強制的にIL-7R誘導したマウスを作製して,IL-17A産生T細胞の増加したマウスを作製することがわかった.しかし感染実験まで行うことはできなかった. 3)IL-7およびIL-21/Ag85B融合蛋白質産生レコンビナントBCG の作成 rBCG-IL-7,rBCG-IL-21の作製に成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
1)マイコバクテリア感染防御機構のIL-21の役割 BCG感染早期でのIL-21のCD8T細胞の活性化の機序を増殖促進か,アポトーシスかをあきらにするためにCFSEでラベルしてIL21RKOOT-1細胞をもちいて検討する.当初想定した疲弊exhausted T細胞の抑制におけるIL-21の役割をBCG感染後期で明らかにする. 2)マイコバクテリア気道感染防御機構のIL-7の役割 IL-7RαKO マウスではT細胞の分化ができないのでTCRγ鎖トランスジェニックマウスとかけあわせてγδ型T細胞を分化させたマウスとRosa26-loxP-stop-loxP-ICN1-IRES-GFP x MX1-CreマウスでNotchシグナルを末梢で強制的にIL-7R誘導したマウスを用いて.BCG感染実験を行う. 3)IL-7およびIL-21/Ag85B融合蛋白質産生レコンビナントBCG の作成 rBCG-IL-7, rBCG-IL-21をマウスに投与して,抗原特異的T細胞の推移を検討する.
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Research Products
(7 results)