2015 Fiscal Year Annual Research Report
アルギナーゼI制御による糖尿病性血管障害及び動脈硬化の予防
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26293152
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荻野 景規 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70204104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 憲次郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40752374)
杉山 斉 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60325090)
久保 正幸 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60420519)
江口 依里 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60635118)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アルギナーゼ / 肥満 / L-アルギニン / ケルセチン |
Outline of Annual Research Achievements |
軽度肥満で、血糖値に異常がない段階で、既に肝臓においてアルギナーゼIの蛋白発現が上昇し、L-arginineが血清、肝臓中で低下していた。血漿中のNOxも低下していた。このことより、軽度肥満において既に、arginase Iの発現上昇からL-arginineの低下を招き、最終的にNOの産生が低下していることを証明した。すなわち、肝臓中のarginase Iレベルは、血漿中のarginase Iと正の相関を示し、血漿中のL-arginineと負の相関を示し、血漿arginase I 及びL-arginineが、肝臓レベルで制御されていることを証明した。このことより、肥満が肝臓におけるarginase Iの誘導により血漿中のarginase I動脈硬化を促進することが分かった。 また、アルギナーゼ活性阻害剤を野菜や生薬(25種類)の抽出物で検討し、タマネギの果皮にアルギナーゼ活性阻害作用の強いものを認めた。フラボノイドの一種のqercetinの可能性があり、現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験施設の建て替えがあり、約半年動物の使用が出来なかった。また、1昨年12月教室のスタッフが代わり 実験システムになれていないことがある。さらに、動物実験施設の改修が終わってから、研究協力者としての大学院修士及び大学院博士の論文作成のサポートのため実験計画が大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
CRESPR-Cas9法によるアルギナーゼI遺伝子を肝臓あるいは骨髄に導入し、ヒト型アルギナーゼIを高発現するマウスを作成する。アルギナーゼI高発現によるL-arginine、NOx、3-nitrotyrosine等の動態を検討し、心筋梗塞、脳梗塞等の動脈硬化病変の発現状況を調べる。 タマネギの果皮に存在すると言われているqercetinの誘導体のIC50は、μmolオーダーなので、タマネギ果皮を大量抽出し、濃縮後、arginase活性抑制作用を検討後、qercetin及びタマネギ果皮抽出物を肥満マウスに投与し、血糖抑制作用、NOxの変化, 血清3-nitrotyrosine量の測定により抗酸化の影響を検討する。
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Causes of Carryover |
動物実験施設の建て替えがあり、約半年間、動物の使用が出来なかった。さらに、動物実験施設の改修が終わってから、研究協力者としての大学院修士及び大学院博士の論文作成のため実質的に実験が出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
5月以降、非常勤研究員を雇用することが決まっているので、実験体制を整備して動物実験を行いたい。
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