2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of wound healing process from the viewpoint of cytoskeletal regulators.
Project/Area Number |
26293380
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 盾貴 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00362707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 亙 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20181498)
金澤 成行 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (50506243)
河合 建一郎 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80423177)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞骨格 / RhoA |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞骨格制御因子をターゲットとした創傷治癒機構の解明を目的として、様々な刺激に対する皮膚線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化誘導において、細胞骨格制御因子の1つであるRhoAが関与するかに着目し研究を行った。 まずはTGF-β刺激により皮膚線維芽細胞が筋線維芽細胞へ、文献通りに分化するかを確認した。ウエスタンブロッティング、免疫染色法などを用いて、筋線維芽細胞のマーカーであるα-SMAの発現を確認したところ、TGF-β刺激により皮膚線維芽細胞はかなり高率で筋線維芽細胞へ分化することが確認された。また、TGF-βはRhoAを活性化させることも確認した。 次の段階として、ストレックス社製の培養細胞伸展システム(ストレッチチャンバー)を用いて皮膚線維芽細胞に伸展刺激を加えた場合の筋線維芽細胞への分化を観察した。その結果、伸展刺激を加えていない群に比べ、伸展刺激を加えた群では有意に活性化RhoAならびにα-SMAの発現が増加することを確認した。 最後に、創傷治癒機構においてRhoAに影響する因子として、エンドセリン‐1(ET-1)に着目した。ET-1は強力な血管収縮剤であるだけでなく、創傷治癒反応を介して様々な臓器の線維化に関与することが報告されているが、皮膚の創傷治癒に関する報告は未だ少ないからである。その結果、TGF-βほどは強くはないものの、ET-1でもα-SMAの発現が増強されることが確認された。さらに、ET-1はRhoAを活性化させ、Rho-kinaseの阻害剤であるY-27632と同時投与すると、ET-1によるα-SMAの発現増強が抑制された。 以上のことから、皮膚線維芽細胞は様々な刺激により筋線維芽細胞への分化が促進され、その過程に細胞骨格制御因子のRhoAが関与することが判明した。よって、その阻害剤などは新たな治療アプローチになり得ることが示唆された。
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