2014 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌顎骨破壊病変におけるSHHを標的とした新規治療法の開発と個別化医療への応用
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26293428
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
志茂 剛 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40362991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗尾 奈愛 岡山大学, 大学病院, 医員 (80622141) [Withdrawn]
吉岡 徳枝 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50362984)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 癌顎骨破壊 / 破骨細胞分化 / ソニックヘッジホッグ |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌が骨髄へ浸潤すると顎骨の合併切除を必要とし,患者の咀嚼機能などのQOLならびに,生命予後が有意に低下する。従って癌の骨への浸潤,癌の骨内での増殖を抑制することは,臨床上極めて重要な課題である。ソニックヘッジホッグ (SHH) は胎生期の器官形成の発生において重要な役割を果たすことをこれまで申請者等は明らかとしてきた。近年,膵臓癌・胃癌・食道癌・大腸癌・肺癌・肝臓癌・乳癌など種々の悪性腫瘍でSHHシグナル経路の活性化が腫瘍増殖に深く関与していることが報告され, SHHシグナルは癌治療における新たな標的分子として注目されている。一方で,口腔扁平上皮癌顎骨浸潤におけるSHHの発現とその役割に関しては未だ不明な点が多いのが現状である。申請者は,当科における下顎歯肉癌顎骨切除標本を用い,SHHシグナルの局在を明らかにした。浸潤型骨破壊を呈する口腔癌細胞はSHHを高発現し,SHH受容体Patchedおよびヘッジホッグシグナル分子Gli-2は破骨細胞前駆細胞,骨髄間質細胞に高発現することが明らかになった。SHH蛋白質を破骨細胞前駆細胞に添加すると,Receptor activator of nuclear factor kappa-B ligand (RANKL)存在下で酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)陽性核細胞数ならびにDentin slice上での破骨細胞吸収能の亢進を認めた。これらの結果から,癌骨微小環境下,癌骨浸潤部で腫瘍細胞から産生するSHHは,破骨細胞前駆細胞ならびに成熟破骨細胞に直接的に作用し,破骨細胞分化ならびに骨破壊能を亢進させ,顎骨破壊を亢進させることを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌顎骨破壊微小環境にけるSHHシグナルの局在が解明され,さらに癌顎骨破壊部におけるSHHの役割が明らかとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
SHHシグナルの癌顎骨破壊微小環境における役割をさらに追求し,それらメカニズムならびに治療への展開をめざす。
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Causes of Carryover |
ELISA等のプレート購入を予定していたが,組織学的検索を行い,次年度に計画したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ELISAならびにアレイの購入に充てる。
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Research Products
(1 results)