2014 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸様式の変化に伴う味覚情報処理機構の破綻と回復に関するメカニズムの解明
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26293434
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30221857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細道 純 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (00420258)
渡 一平 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10431941)
誉田 栄一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30192321)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鼻呼吸障害 / 味覚受容器 / 舌 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の主題】鼻呼吸障害はラット舌味覚受容器に影響を与えるか【目的】鼻呼吸障害が様々な臓器の生理学的機能に影響を与えることが臨床報告や基礎研究を通じて報告されている。しかし、鼻呼吸障害が味覚機能に与える影響についての報告は皆無である。そこで、我々は呼吸機能の変調が舌に存在する茸状乳頭、有隔乳頭や味蕾に与える影響について動物モデルを用いて検討を行った。【材料・方法】9週齢雄性Wistarラット(14匹)を無作為に実験群と対照群に分類し(各7匹)、実験群のラットは生後8日目に左側鼻腔粘膜を外科用器具にて焼灼し片側鼻閉モデルを作製した。対照群はシャムオペを行った。各群ラットを9週齢にて屠殺し舌を摘出後、舌の形態計測を行い、舌表面を0.5%メチレンブルーにて染色して茸状乳頭数を計測した。その後、舌の組織切片を作製し、有郭乳頭に関してサイトケラチン8(味蕾中の味細胞に特異的に存在)の免疫染色を行った。それぞれの結果はStudentのt-testを用いて有意差5%で検定を行った。【結果および考察】実験群、対照群のラット舌の形態計測の結果、舌の各部分の長さ、重量に有意差はなく、また有郭乳頭の幅や長さにも有意差は確認されなかった。一方、片側鼻閉ラットにおいて茸状乳頭数が有意に減少しており、免疫染色の結果、片側鼻閉ラットでは茸状乳頭および有郭乳頭における味蕾領域(サイトケラチン8で免疫陽性反応となる領域)が有意に減少していた。本研究結果から、鼻呼吸障害に伴う呼吸機能の変調が舌に存在する味覚受容体に退行性変化を及ぼし、味覚機能に影響を与える可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理審査委員会による審査・承諾のプロセスならびにpilot studyの進行スピードがやや遅れているが、今年度からは加速して行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に従事する大学院生の数を増やす予定である。
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Causes of Carryover |
一部消耗品の納入価格が予算を下回ったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
適正な予算措置を講じる
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