2015 Fiscal Year Annual Research Report
外来受診患者の潜在的在宅ケアニーズの早期把握および対処方策の開発
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26293484
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 智子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323616)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 外来看護 / 継続看護 / 在宅療養支援 / ニーズ把握 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国の病院における外来患者の在宅療養支援に関する研究:2015年10月に全国の一般病床100床以上の病院2541病院を対象に自記式質問紙調査を実施した。外来看護師による在宅療養支援ニーズ把握の取り組みの関連要因についてロジスティック回帰分析を行った。657病院から有効回答を得た。ニーズ把握の取り組みありの病院は347病院(53.4%)であり、それらの病院の特徴は、「外来看護に関する診療報酬を算定している(OR =1.76)」「看護師に相談するコーナーがある(OR =1.71)」「外来で行う看護に明確な方針・理念がある(OR =5.49)」「外来看護師は勉強会などを実施し知識を共有するための取り組みをしている(OR =1.77)」であった。 1大学病院における外来看護師による在宅療養支援の実態調査:A大学病院の外来看護師93名を対象に無記名自記式質問紙調査票を実施し,在宅療養支援の支援内容ごとの実施頻度,在宅療養支援を十分に行っているか,在宅療養支援の知識や認識を尋ねた。91名から回答を得た。在宅療養支援の実施頻度は,52.2%が「ほとんどない」と回答した。実施頻度が高かった支援は,「病状に応じた生活指導」「病状に対する不安や困りごとへの支援」であった。実施頻度が低かったのは,「在宅サービスのケアプランを修正するための支援」「介護保険申請のための支援」であった。 在宅療養支援の実施群は全体の19.1%で、非実施群は実施群と比較して,「在宅療養支援に関する知識を十分に持っていない」「在宅療養支援に関する教育は十分に行われていない」と回答した人が有意に多く、実施群は非実施群と比較して,「外来患者への在宅療養支援ニーズを十分把握できている」「在宅療養支援を担う他部署とコミュニケーションを十分取っている」「在宅ケア関係者とコミュニケーションを十分取っている」と回答した人が有意に多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画と実施する調査の順番などは前後しているが、プロジェクト全体としては順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、在宅療養支援のニーズをどのように把握しているかをヒアリングにより具体的に把握するとともに、患者へのニーズ調査を実施し、外来での在宅療養支援の在り方を病院の規模やタイプ別に整理していく。また、救急外来での調査は下準備を進めており、調査実施場所の都合が整い次第実施することにしている。
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Causes of Carryover |
救急患者に対する調査を今年度行わず、来年度実施することにしたため、今年度の実支出額が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
救急患者に対する調査を実施することにより使用予定。
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Research Products
(1 results)