2019 Fiscal Year Annual Research Report
Reserach for the history of Indian cave temples;
Project/Area Number |
26300018
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
平岡 三保子 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00727901)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インド美術史 / 仏教美術史 / ヒンドゥー教美術史 / 石窟寺院 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本研究課題の最終年度にあたり、主たる研究対象であるデカン高原西北部の石窟寺院との比較分析を行うため、西インド・南インドの石窟寺院および岩石寺院を対象として現地調査を実施した。西インドではグジャラート州に存在するジュナガド石窟群(バーバピヤーラ、ウパルコット、マヒガデチ窟を含む)、カンバリダ石窟、およびこの地方に多く存在する階段井戸(パタン、アダラージ、ダーダ・ハリなど)の建造物も、石窟寺院と同様な「負の彫刻」としてのコンセプトを有するため、調査対象として訪れた。その他、ジュナガドのアショーカ碑文磨崖詔勅、州立博物館、キャリコ博物館、専用車なしにはアクセスの難しいインダス文明のロータル遺跡も調査した。 また南インドではカルナータカ州のバンガロール州立博物館の調査に続きタミル・ナドゥ州の遺跡を調査し、資料収集を行った。そのため、タンジャーヴールに拠点を置き、パッラヴァ朝、初期チョーラ朝の建造物が多く残るプドゥコーッタイ、ティルチラーパッリ地区のヒンドゥー教石窟、ジャイナ教石窟の調査に重点を置いた。タミールナドゥ州北部ではカーンチープラム、マーマッラプラムの石造建造物(石積寺院、岩石寺院、石窟寺院含む)の他、ポンティチェリー博物館、改修工事を経て再開したチェンナイ州立博物館のアマラーヴァティーギャラリーの調査を行った。盛期チョーラ時代のヒンドゥー教寺院としてブリハディーシュヴァラ(ラージャラージェーシュヴァラ)寺院、チェンナイのカパレーシュヴァラ寺院も見学した。 南インドではPondicherryのフランス極東学院とアメリカインド学研究所、チェンナイ大学のサンスクリット研究所などで研究者と交流を深めた。デリーも現地研究者との交流を深め、2020年3月に日本のインド・ヒンドゥー教文化に関する国際セミナーを共同開催する事が決定された(新型コロナウィルスにより延期)。
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