2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26301003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今中 哲二 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (90109083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 徳幸 広島大学, 平和科学研究センター, 教授 (30304463)
竹峰 誠一郎 明星大学, 人文学部, 准教授 (40523725)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 広島・長崎 / ウィンズケール原子炉事故 / マーシャル諸島核実験 / セミパラチンスク核実験場 / チェルノブイリ原発事故 / スリーマイル島原発事故 / 福島原発事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、まず研究チーム立ち上げのため、5月はじめに代表者の今中、分担者の川野と竹峰、協力者の進藤眞人(市民環境研究所)と鈴木真奈美(明治大学)の5人が東京に集まってミーティングを行い、研究計画全体についての意見交換を行った。7月には京都大学原子炉実験所において、協力者の玉山ともよ(国立民族学博物館)を加えてミーティングをもち、2014年度の具体的な調査計画を決定し、玉山からは米国のウラン鉱山開発にともなう放射能汚染と被曝者補償問題についてのレクチャーを受けた。 2014年度には、研究チームとして、以下の2回の海外調査を実施した。 ◇8月末に約1週間、米国による中部太平洋での核実験の後始末調査のため、今中、川野、竹峰、進藤がマーシャル諸島共和国(RMI)を訪問した。RMI政府関係者、RMI議会メンバー、核実験被災者らから、核実験当時の状況や現在の健康問題、補償問題などの聞き取り調査を実施した。 ◇9月末から約2週間、今中、進藤、鈴木が英国を訪問した。1957年のウィンズケール原子炉火災事故の後始末の状況や、セラフィールド核施設周辺の放射能汚染調査、英国における核災害対応体制などの調査を実施した。 また、従来から実施してきた研究として、今中らは福島第1原発事故による放射能汚染や放射線被曝の調査を飯舘村や浪江町赤宇木地区で行い、川野らは、広島・長崎原爆被災者やセミパラチンスク核実験被災者の精神的後影響などに関する調査を行った。上記のような活動に関連して、研究発表リストに示したように、代表者と分担者で9件の雑誌論文発表、7件の学会発表、1件の著書出版を行った。協力者の鈴木は、「ニュークリア・リプラス-英国流“原子力再興”と“核の後始末”」を雑誌『世界』2015年2月号に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
円安のため海外旅費が不足気味だが、研究計画はおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度の調査研究は、基本的に2014年度の活動を延長する。研究チームとして世界の核災害の後始末に関する海外調査を実施する。調査対象としては、米国のスリーマイル島原発事故とカザフスタン共和国のセミパラチンスク核実験場を検討している。また、国内においては、広島・長崎原爆被災に関する調査を継続するとともに、福島第1原発事故周辺の放射能汚染地域において、放射能汚染調査や被災者からの聞き取り調査を実施する。
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Causes of Carryover |
2015年3月に実施した福島原発事故影響調査の際、参加予定であった研究協力者が急病で参加できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度の調査旅費として使用する。
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Research Products
(18 results)