2015 Fiscal Year Annual Research Report
現代の代表制デモクラシー改革とプライマリーの意義に関する総合的比較研究
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26301013
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
伊藤 武 専修大学, 法学部, 教授 (70302784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 賢 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (10567390)
久保 慶一 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30366976)
浅羽 祐樹 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (70403912)
成廣 孝 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90335571)
川村 晃一 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (90450501)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プライマリー / 選挙 / 政党 / 政治制度 / 選挙制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカ・ヨーロッパ・アジアのプライマリー(予備選挙)に関する実証的調査を課題とする本研究では、2年目の作業として、初年次の基礎的な調査、具体的には調査対象地域のプライマ リー制度の概要および国政トップレベルの具体的なプライマリーのデータ・政治過程の調査に引き続いて、サンプル数の多い国会議員候補のプライマリーに関する実地調査に入ったほか、一部は次年度に予定していた地方首長・議員関係のプライマリーの調査にも着手した。その上で、中間的な成果発表として学会報告を実施したり、出版物として公刊したりした。アメリカ、イギリス、イタリア、東欧、韓国、インドネシアにおけるプライマリーの制度概要については既に初年度に共有知識としているので、その後は担当国の状況に合わせて、海外対象地における実地調査、国内における制度状況や政治過程、データ所蔵先の 確認を行っている。 研究組織上は、随時オンライン上のコミュニケーションを通じて相互の成果共有を図った。学会報告については、2015年6月開催の日本比較政治学会の分科会で、「プライマリーの比較政治学」のパネルを出した。そこでは、川村(司会)氏の下で、アメリカ(西川)、韓国(浅羽)、メキシコ(豊田:研究協力者)が事例報告を行い、伊藤が討論者となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プライマリーの制度・運用・政治的意義に関する現地調査を内容とする本研究プロジェクトについては、おおむね予定通りに進展し、一部は予定以上に進展している。 まず、当初の計画以上に進展している部分としては、2年目までに課題としていたプライマリー研究の中間成果公開を挙げることができる。アメリカ、韓国、メキシコについては、2年目の5月という早い段階で、執政長官や国会議員レベルのプライマリーについて現地調査の結果も活かした報告を行い、コメントや議論を通じて、理論的課題や調査上の課題(データセットの作成など)についても知見を得ることが出来た。また、ヨーロッパ関係については、各自の関連論文や図書執筆・公刊の課題で本共同研究の成果を盛り込んだものを発表している。またプライマリー研究としては、久保による英語共著論文も含めて、他国の共同研究プロジェクトとの連携の足がかりも築くことができた。 ほぼ予定通り進展している分野は、各国の実態調査である。東欧地域については、担当者の在外研究の機会を活かして、当初主要対象であったクロアチアのみならず、周辺国にも協力者を確保して、予定以上のデータ収集の成果が上がっている。それ以外についても計画対象の調査については、ほぼカバーできている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の研究計画通り、各調査対象国・地域における実地調査を軸に、プライマリーに関する研究動向のフォローも行いながら、研究プロジェクトを進める。 同時に、選挙実施のタイミングなど、政治状況に合わせた変更点を踏まえながら、柔軟に調整していくことも不可欠である。たとえ ば、韓国は4月に総選挙が実施されたり、イタリアでは6月に地方選挙が実施される前段階としてプライマリーが行われた。 さらに、今年度は、久保の在外研究からの帰国に伴って、共同研究としての連携を深め、研究会を複数開催し、研究成果取りまとめに力点を移していく。
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Causes of Carryover |
研究分担者のうち2名については、所属先大学の業務事情、通貨価値の変動や現地調査対象の微少な変更、調査に必要な物品や印刷物などの変更によって少額ながら未使用分が生じたが、むしろ研究目的に沿って合理的・適切に使用した結果である。イギリスについては、担当者の体調不良というやむを得ない理由のため、予定していた現地調査が実施できなくなり、海外旅費を中心に未消化額が生じた。 その他については、研究事情に合わせて適切に使用してきた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
各自当該年度に必要な課題を実施するために使用する。微少な未消化分については、次年度に繰り越して、調査対象の洗い直しに合わせて謝金その他の再配分を行うことによって対応する。イギリスについては、現地調査を次年度に繰り下げすることで、使用する計画である。
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Research Products
(10 results)