2014 Fiscal Year Annual Research Report
モンスーンアジア農村地域の持続的発展と比較農村計画学の確立
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26304034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山路 永司 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (10143405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 啓 京都大学, 地球環境学堂, 特定准教授 (10260613)
橋本 禅 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (20462492)
中塚 雅也 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40432562)
清水 夏樹 京都大学, 森里海連環学教育ユニット, 特定准教授 (40442793)
山下 良平 石川県立大学, 生物資源環境学部, 講師 (40515871)
星野 敏 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (60192738)
三宅 康成 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60262755)
九鬼 康彰 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60303872)
中島 正裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436675)
武山 絵美 愛媛大学, 農学部, 准教授 (90363259)
服部 俊宏 明治大学, 農学部, 講師 (10276165)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モンスーンアジア / 農村計画学 / 土地利用制度 / コミュニティ計画 / 6次産業化 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国別研究とテーマ別研究とをクロスさせて行った。 国別研究の成果は以下の通りである。韓国については、日韓セミナーを開催し「6次産業化」についての議論を深め、日韓専門家共同セミナーでは、「定住要件の変化に関する政策動向」を比較検討した。また、個別研究として土地利用計画制度の比較を行った。台湾については、美濃地区(客家の里,ツーリズムスポットとして著名)の視察を行った。また、社区営造の取り組みについて、現地共同研究者の調査に同行した。インドネシア、マレーシアについては、文献調査を主に行ない、ツーリズム,エネルギー関連の取り組みを整理した。ベトナムについては、メコンデルタの中心地カントーで開かれた会合に参加し、現地視察を実施した。またJICA草の根技術協力のワークショップに参加し、ハノイ近郊農村の状況を把握した。ハノイ近郊農村では村レベルで詳細な土地利用計画が策定されており、それを分析した。中国については文献調査を中心に行うとともに、農村地域での小城鎮計画事例を分析し、あるべき方向性を提言した。日本については、6次産業化・ツーリズム等持続的発展について整理した。 テーマ別計画の成果は以下の通りである。まずテーマは、A)土地利用計画、B)コミュニティ計画・社会開発、C)6次産業化、GT、都市農村連携、D)農村防災、E)資源循環・農村エネルギーとした。国別研究の成果を、これら6分野ごとに抽出し、課題別にとりまとめた。とくに、C)6次産業化については多くの国の事例が収集された。ただし、あまり収集の進まないテーマもあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示したとおり、平成26年度には、国別研究とテーマ別研究とをクロスさせ、十分なる成果を上げることができた。 一方、研究実施計画からは少し外れた結果となった。すなわち、研究実施計画においては、「計画制度のメタ認知的理解と埋没した知識の発掘」を目標に掲げ、そのために、各国別、テーマ別に深掘りすることを行ったが、入手した知識のうちどれが公知の知識でありどれが埋没した知識なのかを仕分けることに困難が生じた。文献等から入手した知識は、入手できたという意味では公知の知識であるが、その適用性によっては、必ずしも公知の知識とは言えない。従って、深いレベルの解釈を行う必要があり、それには多くの時間が必要であり、十分には行い得なかった。また知識の入手自体も収集過程にあるため、表記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始時点では、平成27年度の研究計画を次のように行うこととした。(1)計画制度のメタ認知的理解と埋没した知識の発掘(続き)、(2)中間シンポジウムの開催、(3)共通認知基盤の構築。この計画をベースとしながら、初年度の成果を参照して、次のように研究計画を再構築する。 (1)については、26年度に蓄積した各国・各テーマのデータを分析して、メタ認知的理解と埋没した知識の発掘という第一ステップを完了させる。 (2)については、平成27年10月に農村計画学会国際交流委員会等と協力しながら、韓国との二国間セミナーおよびシンポジウムを開催し、「人口減少」の現状の理解とあるべき対策について討議する。また、科研としての全体研究会を平成28年3月に開催し、事例調査報告ないしはテーマ分析結果(複数国横断的レビューを含む)を取りまとめる。 (3)については、輪読、テーマ型の文献レビュー(農村の社会問題,計画の役割、制度とその運用、農村ビジネスなど)を行うことで、共通認知基盤を構築する。 上記3点に加え、今年度は、(4)国際的な農村計画学研究者のネットワークづくりにも取り組み、わが国の農村計画研究の国際アピールとして、国際会議(たとえば、平成27年9月にインドネシアで開催の研究会など)にも積極的に参加する。
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Causes of Carryover |
平成26年の研究実施において、3名の研究分担者に5万円以上の使用残額があった。その主たる理由は、海外調査を予定していたにもかかわらず、先方受け入れ機関・受け入れ研究者との日程調整が不調で実施できなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度においては、先方との調整を進め、効果的な現地調査を実施するものとする。
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Research Products
(11 results)