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2014 Fiscal Year Annual Research Report

超高齢期の幸福感と寿命における社会関係・社会参加の影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26310107
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

高山 緑  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10308025)

Project Period (FY) 2014-07-18 – 2019-03-31
Keywords超高齢期 / 社会関係 / 社会参加 / Well-being / 健康長寿
Outline of Annual Research Achievements

先進国のみならず発展途上国でも85歳以上の超高齢期の人口が急増している.しかし幸福感の重要なリソースのひとつである社会関係や社会活動が高齢期から超高齢期にかけていかに変化するか,またそれが幸福感や健康・寿命にいかに影響を与えるかについてはまだ十分に解明されていない.本研究課題では超高齢者の幸福感と健康・寿命における心理・社会的要因を明らかにすることを目的としている.特に社会関係,社会参加,地域性が高齢期から超高齢期にかけて量的・質的にいかに変化/安定するか,それらの要因が心身の健康や寿命,幸福感にいかに影響を与えるか,予測因子の共通点と相違点は何かを解明する.
1年目の今年度は,75歳(248名),80歳(291名),85歳の高齢者(334名)計873名を対象に第1回パネル調査を実施した.年齢群差に焦点をあて社会関係,社会的役割,社会活動等とWell-beingとの関係を中心に分析を行ったところ,主に以下の結果が得られた;1)家族・友人とのコンパニオンシップとネガティブな関係は年齢群が上がるにつれて低下する傾向が示される一方,2)提供するサポートについては大きな年齢群差は見られず85歳群でも身近な人にサポートを提供していた.3)超高齢期には身近な人からの承認サポートが幸福感により効果があることが示唆された.4)社会的役割は年齢群が上がるほど減少する傾向が示された一方,いずれの年齢群でも社会的役割があることがWell-beingを高めていた.5)社会活動に関しては,若い高齢群は社会活動を通じて,より多様なポジティブな効果を得ている一方,6)超高齢期に社会活動を続けることはポジティブな感情を高める点でWell-beingへ寄与していることが示唆された.7)各年齢群を通じて心の中のイメージで他者と繋がりを持っている者は,無い者よりも人生満足度,生活満足度ともに高い傾向が示された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題では超高齢者の幸福感と健康・寿命における心理・社会的要因を明らかにすることを目的としている.特に社会関係,社会参加,地域性が高齢期から超高齢期にかけて量的・質的にいかに変化/安定するか,それらの要因が心身の健康や寿命,幸福感にいかに影響を与えるか,予測因子の共通点と相違点は何かを解明する.この研究目的のもと,以下の4つのプロジェクト<「維持・変動」,「Well-beingと健康・寿命」,「変容プロセス」,「社会(他者)の意味」>をたて,平成26年度から平成30年度までの5年間にわたり,研究を進めていくことを計画している.
平成26年度は,超高齢期に入る前の比較的若い高齢期にあたる75(±1)歳,超高齢期への移行期にあたる80(±1)歳,超高齢期にあたる85(±1)歳の高齢者を対象に,「維持・変動」「Well-beingと健康・寿命」のプロジェクトに関する調査を実施した.川崎市および中原区の協力を得て,中原区在住の高齢者から層化二段抽出法により対象者を抽出し,当初の計画どおり,第1回パネル調査を実施した.調査後はデータ・クリーニング,データ分析を開始し,75歳群,80歳群,85歳群の年齢群差に焦点をあてながら,社会関係,社会活動,そしてイメージの中の関係性とWell-being,健康との関係を中心に,ほぼ計画どおり,分析も進んでいる.平成26年度に行った分析結果については,平成27年度の国内および海外での学会にて発表することを計画している.
本研究は研究代表者の他に5名の連携研究者で遂行している.研究遂行のため,研究会議の他に,頻繁にスカイプによるミーティングを重ねてきた.また調査実施には,川崎市および中原区からご協力をいただいた.これまで調査が概ね順調に進んでいるのは,研究班内での緊密な連携と行政の協力によるところも大きいと考えている.

Strategy for Future Research Activity

平成27年度は地域性との関連にも焦点をあて,分析を進めていく.さらに平成27年度は平成26年度に実施したパネル調査の結果も踏まえながら,質的調査を実施し,外出や様々な活動に身体的・認知的な制約が働きやすい超高齢者が心身の状態に合わせながら,いかに社会関係のあり方や社会参加の形態を変えつつ,社会(他者)との関わりを維持しているか/できなくなっているかを明らかにしていくとともに,他者/社会の存在が超高齢期の高齢者のLife(生活と生命)に与える意味について探索していく予定である.

Causes of Carryover

今年度,調査を実施するにあたり,訪問調査による実査を調査会社へ委託したが,その費用が当初の計画よりも抑えられたため.

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額と翌年度分(平成27年度分)として請求した研究費は,平成27年度に実施する調査のために必要な備品の購入,謝金,データ解析等のための人件費,調査結果を報告するための学会旅費等に使用する予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014 Other

All Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Correlates of cognitive impairment in the very old in different cultures: Japan and the UK2015

    • Author(s)
      Midori Takayama
    • Organizer
      the 2015 conference of the British Society of Gerontology
    • Place of Presentation
      Newcastle (UK)
    • Year and Date
      2015-07-01 – 2015-07-03
  • [Presentation] A New Horizon of Psychosocial Adaptation: From Successful Aging toward Matured Aging2014

    • Author(s)
      Midori Takayama & Yasuyuki Gondo
    • Organizer
      67th Annual Scientific Meeting of the Gerontological Society of America
    • Place of Presentation
      Washington, DC (USA)
    • Year and Date
      2014-11-05 – 2014-11-09
  • [Remarks] 長寿社会の健康と暮らしに関する調査

    • URL

      http://psylab.hc.keio.ac.jp/staff/www_takayama/chouju/index.html

URL: 

Published: 2016-06-01  

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