2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of pivoting algorithms based on global structure of linear programming
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26330002
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
森山 園子 日本大学, 文理学部, 教授 (20361537)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 線形計画問題 / 多面体 |
Outline of Annual Research Achievements |
線形計画問題(LP)の解法に,1947年にDantzigにより提案された単体法を始祖とする一連のピボットアルゴリズムがある。線形計画問題の別の解法として1984年に提案された内点法は多項式時間性が保証されている一方で,多項式時間を達成するピボットアルゴリズムは見つかっておらず,その存在解明はLPにおける重要な未解決問題である。制約条件が記述する多面体上にピボットアルゴリズムの振る舞いを記述した有向グラフをLPグラフという。本研究では,LPグラフに内在する多面体構造という大域的構造に着目し,この大域的構造に基づく多項式時間ピボットアルゴリズムの構築を目指して,4年間にわたり研究を続けてきた。 多項式時間を達成するピボットアルゴリズムの開発という最大の目標は達成できなかったものの,最終年度である今年度は,これまでの3年間取り組んできたマトロイド理論を用いたLPグラフの列挙について部分的に解決するに至った。研究代表者は多面体の離散構造の1つである有向マトロイドについて広く研究してきた。この有向マトロイドにおいて幾何的に実現可能なものがLPグラフに対応するが,実現可能性判定が難しく,任意の多面体における列挙は達成できていなかった。そこで,多面体に0,1のみから構成されている点配置という制限を与え,対応する行列を高速に列挙する方法を提案した。本列挙はこれまで実施された列挙サイズを大きく上回るものである。本結果を元にして,LPグラフの特徴付けを目指し,多項式時間ピボットアルゴリズムの達成を目指したい。
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