2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26330027
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
向谷 博明 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70305788)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 制度設計 / 動的ゲーム / 確率微分方程式 / マルコフ連鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
官公庁,電力供給事業者に対し,電力事業における既存の制度や規制,再生可能エネルギーによる発電事業の現状,利用状況等を書籍,インターネットに掲載されている報告書や論文等によって調査した.また,アメリカ・カナダにおけるスマートグリッドの活用状況や,ドイツ・スウェーデンを中心とする欧州における再生可能エネルギーによる発電事業に対する制度設計を調査した.さらに,主な再生可能エネルギーの発電設備,特性,生産や普及状況等を文献によって調査した.一方,モデル作成に必要な再生可能エネルギーに基づく発電データの確保を試みた.同時に,再生可能エネルギーによる発電出力変動特性の数理モデルの作成に関して,既存の論文で報告されている結果を基盤に,改良を行った.すなわち,様々な気象データをもとに,太陽光や風力発電に関する天候変動および受給量の変動を不確定要素と捉え,ウィナー過程による確率微分方程式の改変を試みた.具体的には,既存の数理モデルに確定変動及び確率外乱を付加することによって,制御対象となる新数理モデルの検討を詳細に行った.結果として,プラントモデルの集合をマルコフ連鎖によるハイブリッドモデルとして再構築した.その後,確率動的ゲーム理論や制度設計に関する様々な論文や専門書を詳細に調査し,直接,メカニズムデザインが適用可能な数理モデルへの改良および改変を行った.同時に再生可能エネルギーの運用に関するメカニズムデザインの応用に関する文献の収集・調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再生可能エネルギーに基づく発電データの確保が予想以上に困難であり,代替措置として,既存の再生可能エネルギーに基づく発電モデルの探索に時間がかかっいる.さらに,マルコフ連鎖の適用が有用であることは確認されているが,今後の制御系設計段階で,このようなモデルベースでの動的ゲームの戦略集合を求めることに対して,理論的・数値計算的な困難が予想されている.そのため,得られた数理モデルの修正等を詳細に検討している結果,必要以上に研究時間を要し,全体的に進捗状況がやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
作成された数理モデルを用いて,新しいメカニズムデザインにおける電力需給に対し,リアルタイムオークションやリアルタイムマッチング状態を満足するための数理的な条件を探索する.或いは,ナッシュ均衡やパレート最適性原理のような既存の動的ゲーム理論の適用も視野に入れる.特に,リアルタイムオークションでは,完全ベイジアン均衡の理論を基盤としつつ,動的確率システムへの適用を試みる.また,数理モデルが階層構造を持つ場合,シュタッケルベルグ戦略に基づく動的需給均衡を獲得するための新戦略の導出も試みる.その後,半正定値計画問題を基盤とする数値最適化アルゴリズムを確立する.最後に,理論実現するための条件の探索を試みる.
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Research Products
(4 results)