2015 Fiscal Year Research-status Report
帯域スケールアウト可能なネットワークアーキテクチャ
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26330100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 克志 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90251719)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インターネット / ネットワークアーキテクチャ / パケットスケジューラ / TCP |
Outline of Annual Research Achievements |
LAWIN の実現に向けて、 1)EDF パケットスケジューラが TCP に与える影響について国際会議で発表、2)パケットスケジューラの標準化動向の調査、および 3)TCP に代わるトランスポート方式に対する影響の検討を行った。 1) では LAWIN の実現に向けた課題が議論となった。例えば、アプリケーションの遅延要求をネットワークに伝えるための API 設計とアプリケーシィン側の対応コスト、現実のアプリケーションが要求するパケットスケジューラ遅延に加えて伝送遅延も含む端末間遅延を保証には応えられないといったフィードバックが得られた。 2) ではインターネット標準化団体(Internet Engineering Task Force (IETF)) の Active Queue Management (AQM) 作業部会の議論に参加した。AQM WG では Buffer bloat として知られるラストマイルにおける極端なネットワーク遅延増大の対策に取り組んでいる。その一貫としておこなっているパケットスケジューラの技術動向の取りまとめに本研究で得られた知見をフィードバックした。 3)では LAWIN の適用対象として、TCP に代わるトランスポートとして Google が開発、展開を進めている Quick UDP Internet Connections(QUIC) の検討を開始した。QUIC では TCP にはない前方誤り訂正(FEC) およびパケット毎の優先度がサポートされている。今年度はそれらの機能が LAWIN に与える影響の調査を中心におこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から複数コンポーネントの協調動作から、 TCP では改善が困難な遅延の問題に方向の見直しをおこなった。 見直しした方向で研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
3 年目はパケットスケジューラのハードウェア化の実現可能性について検討を進める。 本研究は並列化に適したネットワークアーキテクチャの創出にある。 個々のコンポーネントのハードウェアコストを見積もることで提案方式の従来アーキテクチャに対する優位性を検証する。
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Causes of Carryover |
国際動向調査を当初は海外開催の会議を予定していたが、国内開催の国際会議で代えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ハードウェア実装の検証に向けて CAD 用サーバなどの調達を行う。
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