2014 Fiscal Year Research-status Report
コンクリート構造物のひび割れ自動検査のための壁面画像計測ロボットの開発
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26330294
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山口 友之 筑波大学, システム情報系, 助教 (50424825)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知能ロボティックス / 画像処理 / 計測工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のコンクリート構造物の保全において,構造物を損傷せずに検査可能な非破壊検査技術が強く求められている.コンクリートの表面には,構造物の耐震性や材料劣化の進展を推定する上で極めて重要となる「ひび割れ」が生じる.従来のコンクリート表面の検査では,人間の目視によりひび割れ分布図の作成や,ルーペ等を用いたひび割れ計測が行われていた.これに対し,情報処理技術やロボット技術の進歩に伴い,ひび割れ検出・計測に関しては画像処理技術を用いた専用装置が開発され,実構造物の雑音耐性を向上させるための画像処理の研究も検討されている.しかし,完全な自動検査を行うには,データ解析の自動化だけではなく,画像データの取得時から自動的に行う必要がある.本研究課題では,コンクリート壁面の画像取得から解析までの全ての過程を自動的に行うことが可能な技術開発を目指している. 今年度は,橋梁検査を対象とし,(1)実地における画像撮影システムの検討,(2)距離計測を併合した画像処理技術の2点に注力した. (1)に関しては,実構造物の橋梁のコンクリート床面を対象とし,ひび割れの画像撮影,画像計測を実施し,照明条件,撮影範囲,撮像解像度の実適用に向けた基礎仕様の検討を行った.撮影時の天候条件が重要である点,また撮像解像度は0.5mm/pixel以下の水準が高精度な画像解析には必要であることを確認した. (2)に関しては,遠方撮影(10m程度)装置と,ドローンによる撮影を検討している.しかし,実構造物の橋梁は検査範囲が広大である点,風速が大きい点等の実現場への適用課題が多くあり,ドローンの飛行時間や撮影における姿勢制御,検査範囲が広大であるための作業時間なども含めて総合的な知見が重要であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,主として撮影系の仕様検討を実地実験を通して確認することに注力し,概ね次年度に向けての指針を確立した.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は,主として試作機の設計開発を行う.具体的には,ドローンを用いた撮影機器の開発を推進する.撮像解像度は0.5mm/pixelを維持し,画像解析に耐えうる画像を獲得する.初年度と同様に実地実験を随時行い,実用化をめざして研究を行う.
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Causes of Carryover |
当該年度は,実地による評価および仕様検討に注力することにより,小型の計測機器やセンサ等の実地実験で利用するものを主として購入し,旅費もその際に必要な経費に留まったため,未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度には,製作予定であった画像撮影機構およびロボット系機構の製作を行うために,使用する.
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Research Products
(5 results)