2014 Fiscal Year Research-status Report
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26330304
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
木室 義彦 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (30205009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家永 貴史 福岡工業大学, 情報工学部, 助教 (00393439)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 計測システム / センシング情報処理 / 環境情報構造化 / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
操作する機械に対する安全性や安心感は,それが動作する環境で大きく異なる.車いすロボットと搭乗者を取り巻く2重の構造化環境を構築することで,安全・安心を与える情報構造化環境の構成要件を明らかにしようとしている.今年度は,車いすロボットに非接触の搭乗者視線計測システムを構築し,情報構造化環境下で車いすロボットの制御データと搭乗者の視線情報および生体情報(心電,皮膚電位等)を同期計測できるようにした.搭乗者の視線計測は,RTコンポーネント技術で実現されており,これまで我々が開発してきた情報構造化環境とそのまま接続できる.ただし,視線計測装置は,搭乗者に身体的な負荷を与えないという要件を重視した非接触方式の為,計測精度は高くはなく,次年度に精度の検討が必要となった. 一方,安全・安心感に関係する搭乗者の不安感については,これに影響を与える要因として,「搭乗者」,「ロボット」,「走行環境」の3つおよびそれぞれの相互作用に着目することとした.今年度は,生体情報計測と心的ストレスについて,静音環境下で車いすロボットの自動制御と搭乗者による手動停止動作を組み合わせた実験を行ない,搭乗者の車いすロボットの自動制御への慣れと手動停止動作による心的ストレスの低減が実験的に確認された.これについては,SSI2014にて報告を行なった.なお,一連の実験から,現有の車いすロボットでは,速度による影響を十分に調べるためには,能力が不足している可能性が示唆された.このため,新たにより速い速度で走行可能なロボットを追加導入することとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の計画では,3つのサブテーマ,(1)GISを用いた交通環境との関係,(2)自動車運転での安全技術との差異,(3)搭乗者の生体情報と人間の行動決定,に係る情報構造化環境を構築するとし,研究実績の概要にも述べたように,おおむね順調に進展している.ただし,一部のサブテーマで研究計画を修整し,当初の計画目標を達成しようとしている. サブテーマ(2)の自動車運転との比較では,搭乗者の反射-反応の状況をシミュレータおよび実機により計測しようとしていた.非接触の視線計測は実現できたが,車いすロボットの動作パターンの全てをドライブシミュレータで提示することは時間的に困難と考えられた.このため,ドライブシミュレータで再現しにくい部分は,実機動作と外部からの画像記録により確認する方向で研究を進めている.また,サブテーマ(3)については,搭乗者を拘束しない無線式の生体計測センサにより,順調に計測が行えているが,センサヘッドの設置と配線,設置に要する時間についても搭乗者は拘束感を感じている模様であった.このため,生体計測の設置点数の増加ではなく,センサヘッド一体型の生体計測センサを追加導入し,センサ設置による搭乗者の心的ストレスが現れないように研究を進めている.同系統のセンサであるが,年度後半に購入したため,ソフトウェアの置き換えが終了していない.平成27年度に直ちに置き換え,研究を進める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,3つのサブテーマについて準備した情報構造化環境を結合し,サブテーマを組み合せた実験計画を立案し,また,それに必要なシステムの計測精度についても検証する.「現在までの達成度」の項でも述べた通り,実機動作と外部からの画像記録,センサヘッド一体型の生体計測センサ利用を実施し,研究計画に大きな変更が生じないようにする予定である.
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Causes of Carryover |
物品購入において,当初計画では,現有のモーションセンサおよび筋電センサと同種のものを追加購入することとしていた.しかし,このモーションセンサと筋電センサを一体化した製品が販売されたたため,これを購入したことから使用額に差が生じた.なお,センサの導入個数は計画通りであったが,接続可能なセンサヘッドの数では,不足しており,次年度予算でこの不足分に対応する.また,その他の費目で高精度位置計測を行なうVRS-GPSの契約と使用料において契約更新時期が年度をまたいだため,事務手続き上,大学の定常予算により支出した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
筋電センサおよび心電,皮膚電位計測用のセンサヘッドを購入する.導入予定の筋電センサヘッド(LP-ID3PAD @5.6万円)を計画している.また,GISのデータ整備に必要なVRS-GPSのデータサービス(従量制)に引き続き支出する.
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Research Products
(1 results)