2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26330340
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大内 則幸 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力基礎工学研究センター, 研究副主幹 (30370365)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コンピュータシミュレーション / 発がんモデル / セルラーポッツモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は細胞レベルでのがん化と腫瘍形成の計算機シミュレーションを行う為、シミュレーションシステムの構築と細胞の物理パラメータの計算を行った。 計算機の価格が申請時より大幅に安くなった為、想定したものより性能の良い計算機を導入することができたので、計算機にLinuxベースのシミュレーション環境を構築した。計算機の速度向上と計算コードの最適化がうまくいき、試験的なシミュレーションの結果であるが、研究の目標のひとつである細胞数10の5乗個(2次元のシャーレ上では2cm四方程度の領域)の細胞集団を用いた、正常細胞から腫瘍形成までのシミュレーションに成功した。 シミュレーション計算において、正常細胞からがん細胞まで、突然変異の蓄積によって細胞が変異する過程をシミュレーションするためにセルラーポッツモデルを用いるが、個々の細胞の計算にはそれぞれ対応する細胞毎に異なる、細胞の物理的パラメータを決定する必要がある。今年度は正常細胞の物理モデルに関しては、皮膚における硬めの表皮細胞と柔らか目の内皮細胞に相当する細胞を構築した。今後、シミュレーション可能な細胞の種類を目標の9種類まで増やしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定では、最初に計算する細胞数の小さな系を用いて計算シミュレーションに用いる細胞の種類を9種類ほど物理的にモデル化してシミュレーションをしたのち、大きな細胞数で計算できるシステムを構築してから大規模なシミュレーションを行っていく予定であったが、予想したスペックよりも高性能な計算機を導入する事ができた事や計算コードの最適化がうまくいった事から、最初に研究のベースとなる計算可能な細胞数の大きなシミュレーションシステムの構築をするのが研究を遂行する上で効率的であると考えた。 その結果、当初は次年度以降で行う予定であった、細胞数が10の5乗個程度の非常に大きな細胞数の系を対象にしたシミュレーションシステムを計算機上に構築する事に成功し、さらに突然変異ダイナミクスを導入した発がんモデルを用いた、正常細胞からがん細胞、さらに腫瘍形成までのシミュレーションも試験的に実現する事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
導入した計算機へのシミュレーションシステムの構築と簡単な発がんダイナミクスの数理モデルの構築に成功したので、今後はシミュレーションする細胞の種類を増やす事が当面の目標である。したがって、まず個々の細胞の物理パラメータを決定し、シミュレーション可能な細胞の種類を増やすことを目標にする。研究目標のひとつである、大きな細胞数でのシミュレーションシステムの構築や発がん動態のモデル化はおおよそ実現できたので、細胞の種類を予定通り増やすことができれば、当初の計画通りに研究成果を達成できると思われる。
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Causes of Carryover |
当初計画では、目標とする細胞数でのシミュレーションには計算時間が大幅にかかると予想されたので、導入した計算機で試験的に小規模な細胞数でのシミュレーションを行って統計データを計算したのちに、細胞数の大きなシミュレーションを行う予定であったが、計算機の性能向上と計算コードの最適化がうまくいった為に予定を変更して先に大規模なシミュレーションシステムの構築をする事ができた。研究計画として本年度に予定していた種類の異なる細胞ごとの動態を特徴づける統計量の計算を次年度以降にまとめて行う事にした為、当年度は統計処理するべき計算データがほとんど無いので、購入予定であった機器の使用予定がしばらくないのと考え、次年度以降に購入する方が良いと考えたために当年度の購入を見送った為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定通り、主にデータ処理用の計算機とストレージの購入に使用する予定である。
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